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ホンダがF1撤退、経営資源を次世代技術に配分
2008年12月5日 / 08:43 / 9年後

ホンダがF1撤退、経営資源を次世代技術に配分

 [東京 5日 ロイター] ホンダ(7267.T)は5日、自動車レースのF1世界選手権シリーズから撤退すると発表した。ホンダの企業ブランドを形成する重要な活動と位置づけてきたが、事業環境の急激な悪化を受けて決断した。

 12月5日、ホンダが事業環境の急激な悪化を受けてF1撤退。写真は記者会見をする福井社長(2008年 ロイター/Toru Hanai)

 活動に携わってきた技術者は次世代製品の開発に振り向け、環境・エネルギー問題の深刻化で転換期を迎えた自動車産業の新たな競争に備える。

 会見した福井威夫社長は「11月に入ってから事業環境が加速度的に悪化した。9月までの状況なら撤退の決断はなかった」と述べた。さらに「単に経済が冷え込んでいるだけでなく、100年間繁栄してきた自動車産業は次の100年に向かう大きな変化を迎えている。F1に注いできた情熱、リソース、人材を新しい時代に振り向けるべきだという強い意志と受け取ってもらいたい」と語った。

 ホンダはF1から撤退することで、年間数百億円と言われる運営費の軽減につなげる。同社は今年度、2度にわたって業績見通しを下方修正。2度目の修正以降も米国を中心に自動車販売の減少に歯止めがかからず、期初の予定からすでに14万台引き下げた生産計画は、「新たな減産が必要かどうか社内で精査している」(近藤広一副社長)状態に陥っている。

 栃木県の研究所でF1活動に携わってきた350─400人の技術者は、今後は新しい技術や製品の開発に従事する。ハイブリッド車の品ぞろえを強化するほか、原材料の使用量が少なくて済む小型車の開発などを急ぐ。福井社長は「新興国の経済発展で資源の需給バランスは大きく変化した。経済が回復すればまた原油や原材料が高くなり、従来とは違った価値観の車づくりが必要だ」と述べた。その上で「F1に携わっていたエンジニアが大きな力を発揮すると思っている」と語った。

 <撤退の評価は3年後に出す商品にかかっている>

 ホンダは1964年、創業者の故・本田宗一郎氏を旗振り役にF1に参戦した。68年に活動を休止したものの、83年から92年までエンジンを供給する形で再び参戦。151戦中69回優勝するなど好成績を収め、「若々しい」、「スポーティー」といったホンダのイメージを形成するのに大きな役割を果たしてきたほか、レースで培った技術が商品に応用されるなど、実利面でも経営に貢献してきた。

 今回の撤退がホンダのブランドイメージを損なう恐れもあるが、福井社長は「ホンダの歴史上どういう意味を持つかというよりは、1年後、2年後、3年後にホンダがどういう商品を出しているかで評価すべき。良い決断だった、と言われるようにしなくてはいけない」と語った。エンジン供給の形で活動を継続する予定はなく、復帰の可能性も「白紙」(福井社長)だという。

 ホンダ主催で2009年に鈴鹿サーキットで予定されているF1日本グランプリは計画通り行う。

 同じくF1に参戦しているトヨタ自動車(7203.T)も、急激な業績悪化を受けてあらゆる事業の見直しを急いでいるが、F1については「これまで通り続ける」(広報部)としている。しかしコスト削減の一環として、来期はシーズン前のイベントを行わず、F1の新車発表はインターネット上で済ませる予定にしている。

 (ロイターニュース 久保 信博記者)

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