January 8, 2009 / 4:39 AM / 11 years ago

情報BOX:米財政赤字拡大がもたらす危険

 [7日 ロイター] 米議会予算局(CBO)は7日、2009会計年度(08年10月─09年9月)の財政赤字が過去最大の1兆1860億ドルに拡大、10年度の財政赤字は7030億ドルとの見通しを示した。ただ、新たな景気刺激策が導入される見通しであることから、09・10年度の財政赤字はさらに大幅に拡大する可能性が高い。

 1月7日、米財政赤字拡大がもたらす危険に関するシナリオをまとめた。写真はニューヨーク証券取引所。昨年12月撮影(2009年 ロイター/Lucas Jackson)

 また、オバマ次期大統領は、財政赤字が1兆ドルという状態が向こう数年は続く可能性がある、との認識を示している。米財政赤字の膨張について、ドルや金利、格付けへの影響を懸念する声も一部で出ている。

 以下は、米国の財政赤字拡大が市場に及ぼす影響に関するシナリオ。 

 ◎格付け低下

 1兆ドル規模の財政赤字が続けば、米政府は常に債務を返済するという投資家の信頼感が揺らぎ、「AAA」の格付け維持が難しくなりかねない。そうなれば外国人投資家は米国債を敬遠する。金融・経済危機を受けて、米国債は現在、安全な投資先として資金を集め、価格は歴史的な高水準になっているが、米国の格付けが引き下げられる可能性が高くなれば、債券市場は急落し、いわゆる「債券バブル」がはじける可能性がある。 

 ◎金利急上昇

 米国債への信認が失墜すれば、あらゆる金利が高騰。住宅や自動車の購入、大学の授業料支払いの際の借り入れコストが大幅に上昇する。米連邦準備理事会(FRB)の経済安定化努力が水泡に帰す恐れがある。 

 ◎ドル急落

 米国債への信認失墜は、ドルに悪材料。世界の準備通貨として、世界中の国々や企業は、原油を始めあらゆる資源の支払いにドルを使っている。投資家が米債券を売るならば、同様にドルも売るだろう。ドル危機が起きれば、世界の通商に活用される基軸通貨としての地位は終えん。ドルの価値が大きく損なわれ、米国の借り入れコストは一層上昇する。 

 ◎インフレ率が大幅に上昇

 ドルが下落し金利が高騰すれば、インフレ率が大幅に上昇する可能性がある。米国は、輸入が輸出を大幅に上回っているため、ドルの価値が下がれば、海外から購入する原油やその他製品の支払いが困難になる恐れもある。ただ現時点は、デフレのほうが差し迫った脅威とみられる。 

 ◎世界における米国の地位低下

 ドル・債券危機は、世界における米国の立場を揺るがす。ドルが準備通貨としての地位を失い、世界の投資家の米国への信頼感がなくなれば、自由市場経済、資本主義という概念すらも、危うくなる可能性がある。

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