January 26, 2009 / 4:46 AM / 10 years ago

焦点:米国債利回りが年初から上昇、バブル崩壊しつつあるとの見方

 [ニューヨーク 23日 ロイター] 米国債は過去3週間で売りが膨らみ、30年債利回りは23日までの一週間で大幅に上昇した。利回りの上昇は週間としては2001年の米同時多発テロ直後以降で最大となり、米国債バブルが崩壊しつつあるとの見方が広がっている。

 1月23日、米国債利回りが年初から上昇し、バブルが崩壊しつつあるとの見方が広がる。写真は米財務省ビル。昨年9月撮影(2009年 ロイター/Jim Bourg)

 利回りの急上昇は、景気てこ入れのために住宅ローンや消費者ローンの金利を引き下げるという政府取り組みを難しくする可能性がある。

 パシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー(PIMCO)のエルエリアン最高経営責任者(CEO)は「今後急速に拡大する国債発行を市場が消化し始めるなか、債券売りが進んでいる」と指摘した。

 2008年に米国債は景気後退懸念を背景に大幅上昇し、長期債のリターンは25%以上を記録した。12月には30年債利回りが3%を割り込んだ。

 最近の米国債の売りは、金融機関支援の財源確保で、政府が2009年に2兆ドルの国債を発行する必要があるとの観測が主要因とみられている。国債発行残高は9月末時点で既に5兆5000億ドルに達している。

 投資家の資金シフトが進んだ結果、ダウ工業株30種平均が年初から7.5%下落にとどまっているのに対し、30年債は10%超下落している。

 他の要因も米国債上昇の歯止めとなっている。ガイトナー財務長官は22日、オバマ大統領は中国が自国通貨を「操作している」ことを認識している、と述べた。同長官の発言を受け、仮にオバマ新政権が人民元の一段の上昇を中国に迫るとしたら、米国債最大保有国である同国が今後購入を控える可能性があるとの懸念が高まり、債券売りが進んだ。

 また投資家の間では、高格付け社債など他の投資先を選好する動きもある。ハリス・プライベート・バンクのジャック・アブリン最高投資責任者(CIO)は「10年債は利回りは2.6%で取引されている。今後10年インフレがゼロと想定したうえで10年債投資は魅力的というのだろうか。それよりむしろ高格付け社債に投資する。利回りは米国債の2倍か3倍だ」と述べた。

 <債券安を見込んでリターン>

 PIMCOのエルエリアンCEOは、仮に米国債利回りが上昇し続けた場合、利回りに連動する住宅ローン金利や他の金利も上昇すると指摘。「仮にそうなれば、米連邦準備理事会(FRB)が買い入れ制度の対象に長期国債を追加するかどうかをめぐる観測が市場で浮上」し、その結果、利回り上昇は抑えられるだろうとの見方を示した。

 一方、今後も利回りの上昇を予想する向きもある。シーブリーズ・パートナーズ・マネジメントのプレジデント、ダグ・カス氏は12月から米国債をショートにしている。同氏は、iシェアーズ・バークレイズ20年超米国国債ファンドをショートにし、実績を上げているという。また、長期債が下落したときに利益を上げるプロシェアーズ・ウルトラショート20年超米国債ファンド(TBT.P)は23日までの1週間で11.6%上昇した。

 10年債利回りは23日、2.61%で取引を終了した。1週間前は2.32%だった。30年債利回りは3.31%と一週間で40bp超上昇した。

 ある市場関係者は「米国債市場で取引し続けるのに良い時期ではないことは明らかだ」との見方を示した。

 (Jennifer Ablan記者;翻訳 伊藤恭子)

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