January 27, 2009 / 12:32 PM / 11 years ago

野村HDの08年4─12月期、4923億円の赤字

 [東京 27日 ロイター] 野村ホールディングス(8604.T)が27日発表した2008年4─12月期連結決算(米国会計基準)は、当期損益が4923億円の赤字になった。

 1月27日、野村HDが発表した08年4─12月期は4923億円の赤字。写真は都内の野村證券支店前。26日撮影(2009年 ロイター/Toru Hanai)

 07年4─12月期の当期損益は860億円の黒字だった。

 半期決算ですでに1494億円の赤字だったが、10月以降の株式相場の急落による保有有価証券の評価損やリーマン・ブラザーズLEHMQ.PKのアジア、欧州部門の買収コストで10─12月期に総額2434億円の損失を計上したのが響いた。損失のうち1470億円が投資有価証券の下落にともなう評価損で、603億円はリーマン買収に関連するコストだった。

 08年10─12月の3カ月間で、連結当期損益は3429億円の赤字となった。前年同期は218億円の黒字。株式相場の急落で主力の国内営業部門も投信販売が振るわず、業績の下支えを欠いた。四半期決算の予測数値を出しているアナリストは2人で、クレディ・スイスは10─12月期の当期損益が2646億円の赤字、JPモルガンは3634億円の赤字を予想していた。

 決算会見で仲田正史・財務担当執行役(CFO)は、大幅な収益悪化を踏まえ、2009年度は全社で10%のコストを削減する方針を示した。人員削減についても「ビジネスの取捨選択の過程で1つ1つ具体的に進めていく」と述べ、必要な場合は人員削減も行う意向を示した。これまでにもリーマン買収後、ロンドンで最大1000人を削減するなど、市況が悪化する中では「コストと陣容のバランスを最適化する必要がある」(野村HD)としてきた。

 また仲田氏は会見で、コストが先行しているリーマンの買収効果は「早期に出したい」と強調した。今後の損失拡大の可能性については「同じような形で同じような単位で出る可能性は非常に低い」と語り、損失計上の底打ちを示した。

 ただ、野村HDはリーマン買収費用として約2000億円を見込んでおり、このうち10─12月決算で計上したのは603億円となったため、今後残りの費用計上が予想される。仲田氏は会見で、09年1─3月期に計上するリーマン買収に関連するコストが前の期(10─12月期)と同じ程度になる見込みであることを明らかにした。

 野村HD(連結)の自己資本規制比率は08年12月末時点で180%台半ばとなる見込み。自己資本は12月末時点でTier1とTier2の合算が約2兆5000億円となり、同9月末時点とほぼ同水準だった。

 世界的な市況の混乱を背景に世界の金融機関が資本増強に動き、野村HDも昨年12月に4100億円を調達したが、野村HDは今後も資本増強を検討する方針。具体的な時期やスキームは現時点でまだ「何も決まっていない」(仲田氏)とした。

 スタンダード&プアーズ(S&P)など格付け機関は27日、野村ホールディングス(8604.T)の格下げを発表した。S&Pは野村HDの格付けをA─からBBB+に引き下げ、野村証券、野村信託銀行も格下げした。アウトルックはいずれも安定的。

 <10─12月期、有価証券評価損を1470億円計上>

 一方、08年10─12月期決算でトレーディング業務を行うグローバル・マーケッツの10─12月期の税引き前損益は、2955億円の赤字(前年同期は244億円の黒字)と、主要5部門の中で赤字幅が最大となった。アイスランドの銀行債関連や、投資先の米運用会社フォートレスFIG.Nなど保有する有価証券の下落にともなう評価損1470億円を計上したのが響いた。

 企業の合併・買収(M&A)などアドバイザリー業務を行っているグローバル・インベストメント・バンキング部門の税引き前損益は、リーマン買収後のランニングコストがかさんで199億円の赤字となった。ただ、グローバルなM&A案件の取り扱い件数も増え、同部門の収益は227億円と、08年7─9月期比で4.3倍に拡大。前年同期比でも9.2%の増加と買収効果を出しつつある。

 稼ぎ柱の国内営業部門は、10月以降の株価急落を背景に投資信託の販売が大幅に落ち、同部門の08年10─12月期の税引き前利益は、7─9月期の53億円から23億円へと減速した。07年10─12月期は285億円。

 野村HDは今後、リテール部門とジョインベスト証券の統合を検討する。野村HDはネット証券業務への参入が遅れ、後発隊のジョインベストの顧客獲得も目標に達していないほか、株式相場の低迷を背景に目先、飛躍的に顧客の獲得数や収益が伸びる可能性は低い。

 会見で仲田氏は、ジョインベストは一定の成果は出ているものの、「次のステージでネットでのビジネス展開を考える場合は、今までのように(対面とネットが)別々にあるよりも、統合して体制整備することが合理的な選択肢と議論している」と説明した。今後もグループ全体でビジネスの取捨選択を進め、コスト削減につなげる考え。

 赤字拡大を踏まえ、野村HDは配当政策を見直す。4半期ごとに実施してきた配当を年2回に戻す。09年1─3月期配当は無配とする。このため09年3月期の年間配当は、前年の34円から25円50銭に減少する。

  (ロイターニュース 江本 恵美記者)

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