January 29, 2009 / 2:20 AM / 11 years ago

FOMCでラッカー委員が反対票、財政政策踏み込みを警戒

 [ワシントン 28日 ロイター] 27─28日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、ラッカー・リッチモンド地区連銀総裁が唯一、反対票を投じた。連邦準備理事会(FRB)が財政政策の領域に踏み込むことへの警戒感が背後にあるとみられる。

 1月28日、米FOMCではラッカー委員が反対票、FRBの財政政策踏み込みを警戒。写真は2006年、FRB(2009年 ロイター/Jim Bourg)

 一部の専門家の間では、現行の政策を続ければ、FRBの独立性が脅かされかねないとの懸念も出ている。

 ラッカー総裁は、民間信用市場に対象を絞った現行の信用緩和策よりも、米国債買い入れを通じたマネタリーベースの拡大が望ましいと主張、FOMC声明に反対票を投じた。

 この日発表された同声明は、モーゲージ証券(MBS)を引き続き大量に買い入れると表明。消費者・中小企業向けの融資拡大を促す「ターム物資産担保証券ローンファシリティー(TALF)」を開始する方針もあらためて示した。

 さらに「状況の進展により個人向け信用市場の状況改善に特に効果的であることが示された場合」長期国債を買い入れる用意があるとした。

 MBS買い入れやTALFと、国債買い入れの違いは、後者が様々な種類の借り入れコストに影響を及ぼし得る点だ。

 FRBが継続の意向を表明した前者の政策は、特定の市場を狙い撃ちにしたものであり、勝ち組と負け組が生まれる。

 こうした民間への直接介入に対して、一部の専門家からは、FRBが産業政策の領域に踏み込んだ、との懸念の声が出ている。

 議会がこれをFRBの越権行為とみれば、FRBの政策に議員から反発の声があがる可能性もあるという。

 スタンフォード大学のジョン・テイラー教授は、今月発表した論文で「広範な産業政策を導入するなら、議会の承認が必要だ。目的の明文化と透明性のある議論が必要になる」と指摘。

 「(FRBの)政策が金融政策の枠組みに戻らないようであれば、FRBの基本的な役割、独立性、統治構造に疑問が生じることになる」との認識を示した。

 FRBの資産買い入れで損失が発生し、財務省への納付金が減れば、議員の間で何らかの対策を求める声があがる可能性もある。

 FRBは、公開市場操作で得た利益を毎年財務省に納付しており、納付金が減れば、事実上税金で補てんすることになる。

 今回反対票を投じたラッカー総裁は、タカ派の急先鋒として知られるが、信用緩和策への反対は、他のFOMC委員の間にも広がる可能性がある。

 テイラー教授が論文を発表した会議に出席していたブラード・セントルイス地区連銀総裁は、ロイターに「(FRBの政策で)制度的な取り決めがあいまいになる」と語っている。

 ラッカー総裁が反対票を投じたこと自体に意外感はない。

 同総裁は13日の講演で、バランスシートを膨張させるFRBの信用緩和策は、経済の資源配分に直接影響を及ぼす財政政策に等しいと指摘。

 「金融政策と財政政策の融合はリスクをはらむ」とし、「過去の金融不安の多くは、中銀が財政政策の目的でバランスシートを使うよう促された結果、インフレ制御能力が低下したたために起きた」と述べていた。

 (ロイター日本語ニュース Alister Bull記者;翻訳 深滝壱哉)

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