February 18, 2009 / 6:07 AM / 10 years ago

日米で株価底割れが視界に、半面で反発機会探る動き

 [東京 18日 ロイター] 日米株価の底割れが視界に入ってきた。実体経済悪化と経済対策の「スピード競争」において、利害調整の困難さやタイムタグで効果発揮に時間がかかる経済対策を待つことなく、実体経済の悪化は急速に進んでいる。

 2月18日、日米株価の底割れが視界に入ってきた。写真は昨年10月、都内の株価ボード前で(2009年 ロイター/Issei Kato)

 企業業績の一段の下方修正や東欧などにくすぶる金融システム不安が伝播すれば株価は昨年10─11月に付けた安値を割り込む可能性も大きいとみられている。

 ダウ工業株30種は17日、一時7551.01ドルまで下落、11月21日に付けた昨年来安値7449.38ドルが迫ってきた。市場はオバマ米大統領が署名した7870億ドルの景気対策法よりも、過去最低水準を記録した2月のニューヨーク州製造業業況指数や欧州での金融不安を懸念。欧州やアジア、中南米でも株価が下落し世界同時株安の兆候をみせている。

 輸出依存度が高くグローバル経済の波に揺られやすい日本は、先進国の中で世界同時不況の影響をもっとも色濃く受けている国のひとつだ。10─12月実質国内総生産(GDP)は年率換算マイナス12.7%と過去2番目の悪さとなった。18日の日経平均も連日の年初来安値となり、一時7500円を割り込んで昨年10月28日に付けた6994円90銭の最安値に一歩近づいた。公的資金の買いが株価を下支えているとみられているが、欧州を中心とする海外勢からの売りが止まらず徐々に下値を切り下げている。

 ゴールドマン・サックス証券は16日付リポートで、日本企業の2009年度予想株価収益率(PER)は71倍と予測。「バリュエーションの割安感が薄れてきたことから、株価は収益予想の一段の下方修正によりさらに下落するリスクがあるとみており、短期的に最安値を試す展開を予想する」(同社エコノミストのキャシー・松井氏)と指摘している。

 大手格付け会社が、リセッション(景気後退)の深刻化により、欧州新興国の銀行と西欧の親会社の格付けを引き下げる可能性があると警告したことも不安をよんでいる。

 <リバウンド局面入りへの期待も強まる>

 「安値までさほど余裕がないので底割れしても不思議ではない」(大手証券ストラテジスト)──市場では底割れへの「覚悟」は出来ているとの声は増えてきている。だが同時に反発近しとの見方が増えてきていることも見逃せない。

 野村証券金融経済研究所ストラテジストの芳賀沼千里氏は「米国が『失われた10年』に入るとしても日本のように短期的な反発局面は途中途中にある」と指摘、反発局面が近いとみていると述べる。「短期市場が安定すればヘッジファンドなどからの換金売りが減少する。積極的な財政政策は構造問題を解決できないにしても需要不足を埋める効果はある。為替が落ち着きを見せ始めており円高による企業業績の下方修正への懸念が小さくなってきた」という。

 サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題、引いては世界景気後退のきっかけをつくった米国住宅市場もそろそろ底打ちが近いとの見方も増えてきている。2月米住宅建設業者指数は低水準ながらも前月の過去最低水準から改善、「通常100万件から200万件のレベル」(芳賀沼氏)という米住宅着工件数は12月に55万件まで下落。18日発表の1月分に注目が集まっている。

 世界的な需要急減で積みあがった在庫処分も急速な生産調整でめどが付き始めている企業も出てきたようだ。18日付日経新聞朝刊は、トヨタ自動車(7203.T)が5月の国内生産台数を2─4月の月平均台数に比べて約3割多い20万台規模に引き上げる方針を固めたと報じた。

 GS証券の松井氏は前出のリポートで、アナリスト予想のばらつきに注目している。ばらつきのピークは収益予想修正の底入れと同時に生じる傾向があるという。「現在はアナリスト予想のばらつきが過去最高に近づく一方で、収益予想の修正モメンタムは過去最低の水準にあることから、収益予想の下方修正局面は終わりに近づいてきている可能性がある」と指摘、株価が最安値を付ける可能性がある一方で、底入れを示唆するデータも出てきたと述べている。

 JPモルガン・アセット・マネジメントのエコノミスト、榊原可人氏は「日本の追加経済対策や米国の不良資産買い取りといった具体策が出てくれば株価反発の可能性がある」と予想する。ただ日本に関しては「日銀が政策を発表する際に『異例中の異例』と言ってみたり、政府が増税を示唆してみたり、政策の効果を低めるような発言が多かった。米国がどんなことをしても景気悪化を食い止めるとしているのと大きな違いだ。日本の当局も景気を回復させるというメッセージをきちんと発信することが重要だろう」と述べている。

  (ロイター日本語ニュース 伊賀 大記)

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