March 7, 2009 / 6:57 AM / 11 years ago

来週の日経平均、バブル後最安値を意識へ

 [東京 6日 ロイター] 来週の東京株式市場は、軟調が続き、日経平均株価のバブル後最安値が意識される展開になりそうだ。年度末に入って膨らむ公的年金買い観測で下値はサポートされるとの見方もあるが、じりじり下げる展開が想定される。

 3月6日、来週の東京株式市場は日経平均のバブル後最安値が意識される展開に。写真は都内の株価ボード。3日撮影(2009年 ロイター/Issei Kato)

 中国の追加景気対策への期待感がアジアや欧米、新興国の株価を押し上げたが、期待感は次第に後退しつつある。また、外為市場でドル高/円安に一服感が広がれば、輸出関連株に買いが集まりにくくなり、株価押し下げ要因になるとみられる。全般的には、先物・オプションSQ(特別清算指数)算出を控え、売り買いは交錯しそうだ。

 来週の日経平均株価の予想レンジは6800円─7600円。

 3月第1週は、米国の株価が下げ止まらず、日経平均も売り地合いだったが、与謝野馨財務・金融・経済財政担当相の発言や中国の追加景気対策への期待から、7000円割れ、バブル後最安値は回避された。3日は、与謝野財務相が、株価下落について「静かに推移を見守っているところだが、必要以上の下げは看過することができないのは日本経済全体を考えれば当然」と語った。また、中国国家発展改革委員会(NDRC)の高官は4日、記者団に対し、昨年11月に発表した4兆元(約5847億ドル)の景気対策に加えて、インフラや製造、福祉分野で支出を拡大すると述べた。

 中国の景気対策に関する発言が好感され、中国株だけでなく、他のアジア株やGLOBEX(シカゴの24時間金融先物取引システム)の米国先物なども押し上げた。さらに、また米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が、オバマ米政権は、複数の投資ファンドを設立し、不良化した融資やそれ以外の不良資産を買い取る計画を検討していると報じたことを受け、アジア株も切り返した。

 国内証券の株式トレーダーは「東京市場は米株価の影響を大きく受けており、米株価が下げ止まらなければ売り地合いは弱まりそうもない」としたうえで、中国の追加景気対策などの要因が出てこないと下落基調と指摘する。4日には「海外勢の売りが続く半面、公的年金の買いが恒常的に入り下値を支えている。延命相場の様相だ」(国内証券)との声が出ていた。

 2月中旬以降、東京市場では欧州系年金筋やヘッジファンドによる売りが続いているが、「このところ1日計500億円のペース」(邦銀筋)という公的年金の買いで、心理的節目7000円割れを食い止めているとみられる。6日も同様の買いが入ったとみられており、ある株式トレーダーは「日経平均7000円割れを阻止するとの意思表示のようだった」と話している。3月第2週も、こうした需給の観点で「7000円割れは避けられる」(先の株式トレーダー)との見方もあるが、「米国株が下げ止まらなければ下値水準を切り下げるリスクがある」(みずほ総研シニアエコノミストの武内浩二氏)ため、7000円割れ、バブル後最安値6994.90円が意識されそうだ。

 12日には中国の消費者物価指数(CPI)が発表される。ロイヤルバンク・オブ・スコットランド・ピーエルシー・ヘッドオブFXストラテジーの山本雅文氏は、CPIはマイナスに転じデフレが意識されることなどから、「中国や世界経済への警戒感が高まり(中国の)株価や豪ドルなどが下落圧力を受けるリスクに注意が必要だ」と述べている。その際、ドルが買われやすくドル/円が下支えされるため、輸出関連株の売りにはつながらない可能性もある。外為市場でドル高/円安が進行し、100円を目指す展開だったが、6日には97円半ばに下落した。株式トレーダーは「円安のピッチが早すぎた」としたうえで、一段の円安が進まないと輸出株を中心とした買いが続かないのではないかとみている。全般的には、先物・オプションSQ算出を控え、売り買いは交錯しそうだ。

 与謝野財務相は6日の閣議後の記者会見で、政府・与党が検討している株価対策について、銀行等保有株式取得機構の拡充について、与野党間の話し合いに大きな期待を抱いている、との認識を示した。株価対策への期待が株価の下げを抑えているとみられているが、こうした対策が打ち出される可能性に否定的な見方が強まっている。市場では「政府・与党の姿勢がトーンダウンしていることが市場に失望感を与えている。日経平均のバブル後安値が視野に入っているにもかかわらず、政策が具体化してこないということでは買いは入りにくい。海外勢の処分売りは継続しており、自然体のままでは日経平均が6000円台前半まで下げる懸念がある」(アセットマネジメント)とみられている。

 金融市場では政局リスクが意識され始めている。麻生内閣の支持率低迷を背景に次期総選挙で政権交代の観測が強まるなか、民主党の小沢一郎代表の公設秘書が逮捕。政局が流動化すれば、今後の経済政策運営への懸念から、再び株売り/円売りにつながる可能性もある。小沢代表は現時点で辞任を否定しているが、「今後、代表交代の事態に発展すれば、総選挙の争点とみられる消費税引き上げに関して自民党との違いが表れず、さらに政局が不透明化することは避けられない」(日興コーディアル証券シニアストラテジストの河田剛氏)とされ、株売り材料の可能性も指摘される。今後の捜査の行方も注目される。

 (ロイター日本語ニュース 吉池 威記者)

0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below