March 19, 2009 / 9:35 AM / 11 years ago

来週のドル/円、下値余地90円前後まで広がる可能性

 [東京 19日 ロイター] 来週の外為市場でドル/円は、米連邦準備理事会(FRB)が米国債買い入れに踏み込んだことをきっかけとするドル売りがどこまで進むかが注目されている。予想レンジはドル/円が94.00―98.00円、ユーロ/ドルが1.30―1.37ドル付近。

 3月19日、来週のドル/円相場は下値余地が90円前後まで広がる可能性が指摘されている。写真はマニラの外貨両替所。昨年11月撮影(2009年 ロイター/Rome Ranoco)

 現在の取引レンジの下値とみられる94─95円前後を割り込むと下値余地は90円前後まで広がる可能性があるという。市場では、近く発表される予定の米金融機関から不良債権を買い取る官民共同ファンドの詳細や2月米新築1戸建て住宅販売など米住宅関連指標も踏まえて下値メドを探りたいとの声が多い。

 <FOMCで米国債買い入れに踏み込む、ドルの次の下値メド94─95円>

 FRBは18日、連邦公開市場委員会(FOMC)声明を発表し、向こう6カ月で最大3000億ドルの米長期国債を買い取るほか、モーゲージ関連債券の買い取り拡大を表明した。米債買い入れについては事前に見送り観測が強かったことから、ドルは急落。踏み込んだ政策でリスク許容度が高まったことに加え、米長期金利の急低下やドル供給の拡大など、すべてがドル売りに働いたという。ドルはアジア時間に入って95円前半まで下落した。

 市場では、ドルの下値メドとして、まず94─95円を意識する声が多い。「2月からのドル上昇は1月高値の94.65円を抜けたあと加速した。94円後半までならこれまでのレンジの範囲内」(邦銀)という。「95─98円をコアとして上下に多少オーバーシュートがありうるというこれまでの見方は変えていない」(外資系証券)との声が出ている。

 しかし、レンジの下値をクリアに割り込んだ場合は下値余地が広がりそうだ。ロイヤルバンク・オブ・スコットランドのヘッドオブFXストラテジー、山本雅文氏は94円付近までの下値はありうるとしたうえで「90─95円にレンジを切り下げる可能性も出てきた」とみている。

 ユーロ/ドルについては1.36ドル前後を上値メドとみる参加者が多い。事前予想を上回る長期国債買い入れの増額を決めた日銀に続きFRBも予想外の量的緩和強化に踏み切ったことで、欧州中央銀行(ECB)の対応に注目が集まっている。「追加利下げに加えて量的緩和に踏み切るかどうかだ。ユーロの次の上値メドは1.36ドルとみているが、ECBが何もしなければ1.40ドルもありうる」(ソシエテジェネラル銀行外国為替本部長、斎藤裕司氏)という。この点から19日のECB理事会でこれまでの量的緩和に慎重だったECBの議論に変化が出るかどうかに関心が高い。ただ、19日の理事会では金利発表の予定はなく記者会見もない見込み。

 FRBによる米長期債買い入れは、将来のインフレ懸念やドルの信認低下につながるとの懸念も多いが、現段階で為替市場がこれを織り込む動きにはならないとの見方が一般的。「政策当局は目の前の危機への対応に手いっぱいで、将来のことを考えている余裕はない。市場の注目点も当局の足元の対応が功を奏するかであって、現在の対応の結果をみなければ将来の懸念は織り込めない」(邦銀)という。

 <米不良債権買い取りにも注目、TALFで不良債権買い取りとの報道も>

 米政府による銀行の不良債権処理に向けた対応も引き続き注目を集めている。財務省高官は14日、官民共同ファンドの詳細を1週間以内に発表するとしていたが、財務省当局者は18日、詳細発表が来週初めにずれ込む可能性があると述べた。

 当初は具体性にかけるとして市場に失望された官民共同ファンドだが「今回はより具体的な中身が示されるだろう。これを好感して株価が上昇すれば、リスク許容度が高まりそうだ」(外資系証券)との声が聞かれる。一部で、ターム物資産担保証券貸出制度(TALF)の買い取り対象に銀行の不良資産を加えると報じられたことも、不良債権処理に向けた期待を高めているという。ただ、買い取り価格の設定など難しい問題も多く、どこまで踏み込んだ内容になるかは市場も確信を持てずにいる。

 米財務会計基準審議会(FASB)は18日、時価会計規則の適用に関する新たな指針について、2つの案を公表した。ひとつは減損資産の評価損計上が義務付けられる場合に関する提案で、もうひとつは市場が活発か不活発か、またディストレストとみなされる取引かを見極める方法に関するもの。FASBは4月2日に提案について協議する。承認されれば3月15日以降の決算に適用される見込み。

 <3月期末接近で日本企業のリパトリも、経済指標では米住宅関連指標の発表続く>

 3月期末をにらんだ日本企業のリパトリによる円買いは「これまでのところ、例年に比べて非常に少ない」(邦銀)という。しかし、3月期末が接近することで駆け込み的にリパトリが強まる可能性があると警戒する声は多い。

 経済指標では、23日に2月米中古住宅販売、24日に1月米住宅価格指数、25日に2月米新築1戸建て住宅販売と米国の住宅関連指標の発表が続く。2月の米住宅着工件数は前月比22.2%増と予想外の大幅増となり、2008年4月以降で初めて増加に転じた。13日までの週の住宅ローン申請指数も21.2%の上昇となっており、低迷する米住宅市場にみられ始めた変化の兆しが本格化するかどうかが注目されている。このほか25日には2月米耐久財受注が、27日には2月米個人所得・消費支出が発表される。

 国内指標では、2月の貿易収支が注目されそうだ。1月貿易統計速報では貿易収支は9526億円と、過去最大の赤字幅を記録した。2月貿易収支についてロイターが民間調査機関の予測をまとめたところ、予想中央値は109億円程度の赤字で、輸出は引き続き減少するものの、原油価格の下落や国内景気の悪化で輸入も大きく減少するため収支が改善するとみられている。予想より赤字幅が広がる場合は円売りにつながる可能性があるとみられている。

 (ロイター日本語ニュース 松平陽子)

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