March 31, 2009 / 8:12 AM / 9 years ago

株安/円安が進行、リスクマネー復活で相場の振幅拡大

 [東京 31日 ロイター] 31日の東京市場は、年度末の処分売りが優勢となり、前場には底堅さを見せていた株価が、後場には軟調となる一方、前日大きく円高に振れた円相場は、逆に急ピッチな円安が進んだ。

 実需の動きに加え、リスクマネーが相場の振幅を拡大する流れとなっている。

 <リスクマネーの復活で下げ渋る日経平均> 

 前日の米ダウは米自動車作業部会がゼネラル・モーターズ(GM)(GM.N)とクライスラー[CBS.UL]の再建計画の受け入れを拒否したことで250ドルを超える大幅安となったが、一夜明けた東京市場では、日経平均が前日比プラス圏で前場を終えるなど、落ち着きを取り戻した。

 後場に入って、年度末の処分売りが先行したことで、日経平均は120円を超える下げを見せている。ただ、市場では、株価が下落トレンドに入ったと見る向きは少ないという。

 背景のひとつとして、マネージド・フューチャーズもしくはCTA(商品投資顧問業者)などリスクマネーの復活を指摘する声が聞かれる。

 新光証券エクイティストラテジストの瀬川剛氏は「マネージド・フューチャーズなどは前日の米株ではなく翌日の米株の動きを予想してアルゴリズムによって機械的に日本株などへの投資を判断するとみられている。前日の米株が大幅安になったにもかかわらず、きょう日本株が反発したのは彼らのようなリスクマネーが復活してきたことも一因だろう」と述べる。

 市場では「必ず反対売買を行う彼らの動きが強まれば一方向に相場が動くことは少なくなるだろう」(準大手証券)と歓迎する声がある一方、「商いが薄い状況が続けば、彼らの動きに振り回される場面も多くなりそうだ」(国内証券トレーダー)と警戒する声もあった。 

 昨年12月末の日経平均は8859円56銭。前場終値の8308円83銭とは依然かい離があるが、3月安値7054円98銭(終値)から1200円近く戻した。世界的にも株価が反発したことでリスク許容度が回復したとみられている。

 また、「海外勢が銀行株などに売りを出しているものの、買い戻しや投信設定に伴う小口買いなどが入って予想外に堅調を持続している。政策期待が残っているため売り込みにくい状況だ」(コスモ証券エクイティ部次長の中島肇氏)という。

 「株式市場はあすから新年度に入り、需給の変化が予想される。4月は商品投資顧問業者(CTA)などの影響を受けやすいが、米経済対策の進展などを背景に、足元は底を打ち、地合いは好転したとみている」と新生証券市場商品開発部部長の作本覚氏は言う。4月は個人的に7500―9000円のレンジを想定すると同氏は続ける。

 <大きくより戻すドル/円相場> 

 リスクマネーの復活を背景に、一方向の相場の流れが続かないのはドル/円相場にも当てはまる。

 この日は国内実需を中心に売買が活発化し、ドルは一時98.44円ときょうの安値から1円を超える上昇となった。

 円相場は前日から乱高下となっている。前日は米政府の自動車作業部会が自動車メーカーの再建策を拒否、アジア時間から米株先物などが急落したことをきっかけにリスク回避の円買いが強まり、ユーロは東京市場の高値130円半ばから海外時間に2週間ぶり安値となる126.43円まで4円超下落。

 しかし、一時300ドルを超える下げとなったダウ工業株平均が引けにかけて下げ幅を100ドル近く縮小させると円には売り戻しが強まり、ニューヨーク市場終盤には128円後半と安値から2円半反発。さらに東京市場で期末関連フローが円を押し下げたたことで、31日正午過ぎには、円は対ドル、対ユーロともに、前日早朝の水準に値を戻した。 

 急ピッチな円安の背景として、あす発表の日銀短観が75年以来のマイナス幅を記録する見通しであること、麻生太郎首相が4月中旬までの早い時期に経済対策を取りまとめるよう指示したことなどを指摘する声もある。しかし、為替市場では「年度末とあってかなり大口の(円売り)フローも出ている」(別の都銀)といい、あくまで期末の特殊要因とする見方が多いようだ。

 また、きょうのロンドン時間の仲値公示にかけて、ユーロと円には売り、ドルは買いが強まる可能性があるとの指摘が出ている。多くの投資家が利用している債券インデックス比率の見直し日にあたり、今回は「米国債の発行量が急増している」(外銀)ことを受け

    て、指数に占めるユーロと円の比率が小幅低下する一方、ドルの比率が小幅に上昇するた

    めだという。 

     <円債は主体性を欠く動き>

     国債先物の中心限月6月限は前日比11銭安の138円19銭で反落して午前の取引を終えた。前日の米債高の流れを受けて小じっかりと取引が始まったものの、株高が進むにつれ利益確定の売りが優勢となり前日比マイナス圏に下落した。期末日を迎えて多くの市場参加者が様子見となっているうえ、あすに日銀短観の発表、2日に10年債入札と相場展開に影響を与えるイベントを控えており、主体的な動きをしづらかった。

     「景気が底打ちしつつあり、総悲観論が後退。株価が比較的しっかりした地合いを保っているので、円債は上値を追いづらい。財政出動もより意識されやすくなる」とトヨタアセットマネジメント・チーフファンドマネージャーの深代潤氏は言う。

     ただ、金融機関はすでに大方の益出しを一巡させており、積極的に売れるものもない状態にあり、株価がこの水準にあれば、低利での債券を持たざるを得ない」と同氏は言い、債券価格が大きく値下がりする可能性は小さいとの見方を示した。

     債券市場参加者の間では、景気は1─3月期が底になり、4─6月期から徐々に落ち着いてくるという見方が増えているようだ。

     「日銀の金融政策については、最近の総裁、副総裁の発言からも一段の利下げといったようなニュアンスは感じられず、市場でもさらなる金融緩和を見込む声は少数派だ。ただ、急激な景気回復は難しく、過度な期待感はない」と東短リサーチ・研究員の寺田寿明氏は言う。

     今後の注目は、TIBOR(東京銀行間取引金利)の動向か。今月に入ってからTIBORはじりじりと下がり続け、企業が銀行に借り入れを頼りきる状況は少しずつ改善してきている、と寺田氏は指摘し、4月以降もそれが続くのか、あるいはある程度までしか金利が下がらないのかを見極めたい、と言う。

     (ロイター日本語ニュース 森佳子;編集 内田慎一)

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