April 24, 2009 / 5:28 AM / 10 years ago

「偽りの夜明け」を本当の回復と見誤らない注意必要=日銀総裁

 4月24日、白川日銀総裁は「偽りの夜明け」を本当の回復と見誤らないよう注意する必要性を強調。昨年7月撮影(2009年 ロイター/Issei Kato)

 [東京 24日 ロイター] 白川方明日銀総裁は23日、日本がバブル崩壊後に何度か一時的な景気回復局面を経験したことを踏まえ、「偽りの夜明け」を本当の回復と見誤らないよう注意する必要性を強調した。

 ニューヨークで「経済・金融危機からの脱却:教訓と政策対応」とのテーマで行った講演で述べた。

 日銀が24日に発表した講演の邦訳によると、白川総裁は「日本経済は1990年代の低成長においても、何度か一時的な回復局面を経験したが、このことは経済がついにけん引力を取り戻したと人々に早合点させる働きをしたように思う」と指摘。その上で「これは『偽りの夜明け』とも言うべきものだったが、人間の常として、物事がいくぶん改善すると楽観的な見方になりがちだ」と述べ、一時的な回復を本当の回復と見誤ることに警鐘を鳴らした。

 ただ、「終わりのない経済危機というものはない」とも強調し、「中央銀行は積極的な金融緩和からの適切なタイミングでの脱出も、意識しておかなければならない。脱出が遅れると、より悪い状況への入口に既に足を踏み入れている可能性がある」と出口戦略の必要性も訴えた。

 白川総裁は、日本の「失われた10年」の教訓として、1)大胆だと思って採った行動であっても、事後的にみれば必ずしも大胆ではなかったという場合がある、2)政府や中央銀行による危機管理対応が、経営に失敗した銀行を救済するためではなく、金融システム全体を救うために行なわれているということを、しっかりと説明し、国民の理解を得る必要がある、3)マクロ経済政策は、経済の急激な減速に立ち向かう上で鍵となる役割を果たすが、万能薬ではない──の3点を指摘。

 その上で金融危機管理の政策対応として、1)流動性の潤沢な供給、2)信用市場の機能の支援、3)マクロ経済政策による有効需要の喚起、4)公的資本の注入とバランスシートの不確実性の除去──の4点を挙げ「この4つの領域で効果的な措置が講じられなければ、経済は一段と厳しい調整を余儀なくされかねない」と強調した。

 さらに「中央銀行は、不均衡が経済に蓄積されてきていないかどうかを、常に警戒しておくことが必要だ」とも指摘。「中央銀行が金融政策判断に当たって一般物価の安定だけに焦点を当てていると、経済活動の様々な側面で生じる危険な兆候を見落とす可能性が高まる」と述べ、政策当局者としてマクロプルーデンスの観点を持つ重要性を訴えた。白川総裁は「金融の不均衡は、典型的には、金融機関の信用量の伸びやレバレッジの拡大、資産価格の急騰、あるいはそうしたものの組み合わせとして現われやすい。中央銀行は、こうした指標を注意深くみることが必要だ」と語った。

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