May 15, 2009 / 5:37 AM / 10 years ago

インカムゲイン型商品の需要増見込む=三菱UFJメリル・坂東氏

 [東京 15日 ロイター] 三菱UFJメリルリンチPB証券によると、国内の富裕層は年明け以降にリスク回避姿勢が弱まり、債券など「シンプルな商品」を中心に投資意欲を高めつつある。

 5月15日、三菱UFJメリルリンチPB証券によると、国内の富裕層は年明け以降にリスク回避姿勢が弱まり、債券など「シンプルな商品」を中心に投資意欲を高めつつある。写真は都内。昨年10月撮影(2009年 ロイター/Yuriko Nakao)

 同社執行役員兼マネージング・ディレクターの坂東謙一氏は、14日に行ったロイターとのインタビューで「当面はインカムゲインを取りながら資産の回復を目指すという投資行動が大切になる」と語り、内外の社債や、高配当株式に投資する投資信託などインカムゲイン型商品を取り込んだポートフォリオの再構築が進んでいくとの見通しを示した。

 三菱UFJメリルリンチPB証券は、メリルリンチ日本証券が49.02%、三菱東京UFJ銀行が41.18%、三菱UFJ証券が9.80%出資する合弁会社で、2006年5月に金融資産1億円以上を保有する富裕層を対象に事業を開始した。坂東氏によると、金融危機下でも経営戦略は変えておらず、リバランスの相談など営業担当者による顧客との対話などを強化している。

 預かり資産残高は公表しなかったが、口座件数については、開業時にメリルリンチ日本証券から引き継いだ1万弱件が3年間で倍増し、現在2万数千件に達していることを明らかにした。三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)(8306.T)が米モルガン・スタンレー(MS.N)に出資し、両社の日本の証券子会社を統合することを決めたほか、米メリルリンチが米バンク・オブ・アメリカ(BAC.N)に買収されるなど親会社の環境は変化しているが、坂東氏は三菱UFJメリルリンチPB証券の枠組みについては「変わらない」と述べた。

 インタビューの詳細は以下のとおり。

 ──富裕層の投資姿勢は昨秋のリーマンショック後にどう変化したか。

 「リーマンショック直後は、世の中が大きく変わるのではないかとの恐怖心から、株式や投信など現金化できるものは現金化しようという動きが広がった。特に富裕層の動きは早かった。ただ、年明け以降はグローバルの流れと同じように徐々にリスク回避の度合いが薄れてきたと肌で感じる。ドルが円に対して90円を割り込むような局面ではドル資産を買いに行ったり、豪ドルでも同様の動きがあったりと日本の富裕層は懐が深いと実感した。富裕層は含み損を抱えても生活に影響はなくびっくりするほど元気だ」

 ──足元ではどのような資産が注目されているか。

 「あらゆるものに対し投資意欲が高まりつつあるが、大きな潮流としては、仕組み債のような複雑なものから債券のようにシンプルで単純なものへの投資に変わってきていると言える。複雑な商品に懲りたから原点回帰しているということではなく、単体でバリューが高く魅力ある商品が顕在化したため、それらに着目している動きで、むしろ投資家は進化している。具体的には、国内の銀行が発行した優先出資証券や劣後債、海外の高格付けで割安な社債への投資が活発で、年明けから2月以降はすそ野が広がっている」

 ──今後ニーズが高まりそうな商品は。

 「インカムゲインを意識した投資が重要視されるだろう。昨秋以降に受けた痛手を取り戻すためにキャピタルゲインを狙ったり、相場回復をじっと待ったりするのではなく、当面はインカムゲインを取りながら相場回復局面で資産の回復を目指すという投資行動が大切になる。その意味で優先出資証券は的を得た商品だ。投資対象としては債券のほか、社債や配当面で魅力的な株式に投資するインカムゲイン型のファンドなども該当する。これらの商品を組み入れながらポートフォリオをリバランスする勇気が必要になるが、足元の株価上昇などを支えに富裕層に勇気が出てきている」

 「一部のキャピタルゲインを狙う向きは日本株への関心が高い。弊社も日本株は有望投資先とみているが、銘柄選択は難しく、ファンドを通じた投資を勧めている」

 ──投資家の間では、昨秋以降の金融市場の混乱で期待通りの分散効果を得られなかったとの不満もある。

 「確かに株も債券も商品も全ての資産が下げ、補完作用が働かなかった。もう一度顧客ごとにリスクを見直し、リバランスを考えて行くしかない。昨秋以降の痛い経験を通じて富裕層はリスクを再認識し、勉強し、進化している。分散の観点から商品や原油、それらに連動する債券への関心も出てきているが、複雑な商品は好まれない」

 ──金融危機下でPB戦略に変更は。

 「変更はない。富裕層がプライベートバンカーを選別するうえで、今は金融機関や金融商品で決めるのではなく、営業担当者がどうアドバイスするかを重要視していると思う。弊社としては営業担当者が顧客と対話する時間や頻度を増やし、営業担当者のサポートも強化している。顧客と接するフィナンシャルアドバイザーの数は、三菱東京UFJ銀行からの出向者が増えたため1年前に比べ少し増え220人程度となっている。今年は現状維持の予定」

 ──MUFGがモルガンに出資し、メリルがバンカメに買収された。PB証券の合弁の枠組みに変化は。

 「全然変わらない。三菱東京UFJ銀行からの紹介で顧客が増え、足元の事業はうまくいっているし、親会社から評価も得ている」

 (ロイター日本語ニュース 大林優香記者 程 近文記者;編集 宮崎 亜巳)

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