June 20, 2009 / 2:45 AM / 9 years ago

中国株ファンドの大型設定相次ぐ、大手証券の販売商品が独占

 [東京 19日 ロイター] 中国株ファンドの大型設定が相次いでいる。今週16日に設定された「インベスコ中国株式ファンド」に続き、きょう設定の「日興フォルティス中国A株ファンド(愛称:万里)」もほぼ満額設定となり、個人投資家のリスク許容度の改善傾向を裏付けた。

 6月19日、中国株ファンドの大型設定相次ぐ、大手証券の販売商品が独占。写真は2008年11月、北京で(2009年 ロイター/Jason Lee)

 ただ、年初以降に大型設定となった新規ファンドは、いずれも大手証券が販売した商品で「顧客のすそ野が広がっているとは必ずしも言い切れない」(国内投信会社)と指摘する向きもある。

 トムソン・ロイター傘下の投信情報サービス会社であるリッパーによると、国内で販売されている中国株ファンド(国内籍)の資金フローは5月まで7カ月連続で流入超となっており、昨秋以降の世界株安のなかで、早い段階からリバウンド期待の買いが入り始めていたことがわかる。ただ、ここ2、3カ月で株高が加速したこともあり、中国株ファンドへの資金流入額は3月以降は高い水準となっている。

 株価が上昇しているのは他のBRICs諸国も同じだが、香港のみずほセキュリティーズアジアで株式調査部長を務める小原篤次氏は「中国は遠からず国内総生産(GDP)で世界2位になる見通しで、経済規模からみてもBRICsの中から抜け出して行く」と予想する。同氏は「外貨資産に投資したい日本の個人投資家にとって、中国は、BRICsの1つとしてではなく、独立した別の資産として位置づけられつつある」(同氏)と指摘する。

 年初からの株価上昇が急ピッチだったため「高値つかみ」を懸念する声も一部にはあるが、「07年に株価がピークをつけた時に比べれば、まだ割高とは言えず、旺盛な国内消費や投資をけん引役とする経済成長を支えに株価は一段高になる」(ハルビス・キャピタル・マネジメント中国株式運用ダイレクターのリチャード・ウォン氏)と強気な声もあり、中国株ファンドの人気は当面続きそうだ。

 <募集直後に完売>

 インベスコ投信投資顧問が16日に設定した「インベスコ中国株式ファンド」は、設定上限額500億円に対し当初設定額がほぼ満額の約499億円となった。販売した大和証券によると募集最終日を待たずに完売した。フォルティス・アセットマネジメントがきょう設定した「万里」も「6月1日の募集開始日の翌日午後1時には完売」(販売した日興コーディアル証券)し、設定上限550億円に対し当初設定額は約497億円となった。「中国の高い将来性や成長性を評価する投資家に受け入れられたほか、A株だけに投資するという希少性も受けた」(同証券)とみられる。

 個人の投資マインドを支えているのは株価のV字回復。中国政府による4兆元の景気刺激策を受け経済成長に対する期待が高まったことが背景で、人民元建てA株と外貨建てB株の両方をカバーする上海総合株価指数は年初から58%上昇した。ハンセン中国企業株(H株)指数が33%、香港ハンセン指数も25%それぞれ上昇している。リッパー分類別の年初来騰落率ランキングでも「株式型中国株」は1─5月の騰落率がプラス39%で、57分類中で上位6番目につけている。

 中国株ファンドについては3月にも大型設定が相次いだ。特に、野村アセットマネジメントが3月27日に設定した「野村新中国株投資」62006983JP(販売:野村証券)は設定当初に577億円超を集め、その時点で今年最大の新規設定ファンドとなった。足元の基準価額は1万1385円となり、残高は1200億円を超えている。同じく3月に大和証券投資信託委託が設定した「ダイワ・チャイナA(エース)」62006975JP(販売:大和証券)も設定上限300億円に対し設定当初に295億円を集めた。

 <A株投資の機会>

 人気化したファンドに共通しているのは中国本土の人民元建てA株を組み入れていること。中国株ファンドは従来、香港市場のH株で運用するものが主流で、A株に投資するファンドについては単位型で解約制限があるものが多かったが、最近設定のファンドは投資対象にA株を含め、追加型で設定や解約が自由にできるタイプが増えており、投資家にとって利便性が向上している。

 また、A株はH株に比べて銘柄数が多く、内需株の比率も高いため、「中国の内需拡大政策による直接的な影響を受けやすい」(ハルビスのウォン氏)。A株は主に国内投資家向けで外国人投資家の取引が制限されているため「グローバル市場の影響を受けにくい資産であることも1つの魅力」(みずほの小原氏)という。 

 大型化したファンドを販売したのが、そろって証券会社なのは、「窓販開始以来、右肩上がりの相場だけを体験していた銀行担当者と異なり、証券会社は過去に何度も相場の上下を経験しておりリスク商品の扱いに慣れている」(地銀関係者)ことが背景で、「証券会社の顧客自身もリバウンド狙いなどの投資に積極的」(大手投信)なことも一因。中国株を扱う中堅証券担当者は「A株投信への投資は見方を変えれば中国の個別株投資に似ている。エッジの効いたA株投信が人気化しているのは、それだけ個人がリスクを取り出した表れ」とみるが、銀行を通じて同様の動きが広がるにはまだ時間がかかりそうだ。

(ロイター日本語ニュース 大林優香記者 岩崎成子記者)

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