[サンフランシスコ 20日 ロイター] 米アップルAAPL.Oのスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)が約2カ月前に肝臓の移植手術を受けていたと、20日付の米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙が報じた。ジョブズCEOは今月中に職務に復帰する予定。
ジョブズCEOは、詳細を公表しないまま1月から健康問題を理由に療養している。アップルのスポークスマンは、WSJ紙の報道についてコメントせず、「スティーブは6月末に復帰するのを楽しみにしている」と述べた。
週明け22日の株式市場では、投資家が報道を受けてネガティブに反応する可能性はあるものの、アナリストによると、ジョブズ氏が経営や製品開発を大局的に見る役割にシフトするとの見方がウォール街では既に浸透しているという。
現在CEO代行を務めるティム・クック最高執行責任者(COO)がジョブズ氏不在の間、会社の日常的な運営を行っているが、今後もその流れは変わらず、ジョブズ氏はフルタイムには復帰しないと指摘するアナリストもいる。
アップルの株価は、ジョブズ氏が病気療養に入ると下落したが、19日に発売された新型アイフォーン「iPhone 3GS」など新製品の販売が好調なため、年初からは約60%上昇している。
United Network for Organ Sharingによると、米国での肝臓移植件数は増加しており、2008年に6000件以上の移植が行われた。移植手術を受けた患者の70%が手術の3年後も生存しているという。