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コラム

コラム:日米株高はコロナ終息まで継続か、出口のサインは米長期金利上昇

[東京 25日 ロイター] - ダウが3万ドル台に乗せ、日経平均も2万7000円台回復が射程距離に入ってきた。実体経済とのリンクが弱まり、金融緩和強化の「源」である新型コロナウイルスの感染拡大が継続するまで株高が続くという皮肉な構図が形成されている。見方を変えれば、ワクチン効果などで景気拡大が予見でき、長期金利が上がり出すと「天井知らず」の株高の出口が見えることになるだろう。

11月25日、ダウが3万ドル台に乗せ、日経平均も2万7000円台回復が射程距離に入ってきた。都内で19日撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)

<実体経済とのリンク弱まった株価>

コンファレンス・ボード(CB)が24日に発表した11月米消費者信頼感指数は96.1と、前月の101.4から低下し、エコノミスト予想の98も下回った。米国におけるコロナ感染の拡大が、消費者心理を急速に冷やし、年末から年明け以降の米経済が再失速するリスクを印象付けた。

だが、同じ日のNY市場でダウは、史上初めて終値で3万ドル台に乗せた。これは現在の株価と実体経済との連動性が、相当に低下していることを示す典型的な現象と言えるだろう。

<FRBゼロ金利、株買いの安心材料に>

もはや多くの市場関係者が、足元における米欧日の株高を「過剰流動性相場」とみている。かつては過剰流動性によって株価やその他の資産価格が急上昇すると、景気の過熱感を反映して長期金利が上昇を始め、一定のタイムラグを経て中銀が利上げに転じて、資産価格の上昇に「差し水」が行われ、バブルを沈静化させるマクロ的な対応がみられた。

ところが、今回は過剰流動性を生み出した「水源地」に存在するのが「コロナ感染」。人と人との接触規制は、世界中でサービス業への打撃となり、世界中で製造業が急回復する中で、サービス業の回復ははかばかしくない。欧州や米国では、再び、ロックダウンや同様の規制が強化され、先に言及した米経済だけでなく、欧州経済にも再失速リスクが浮上。米欧日の中銀は、コロナ感染で強化した資産買入増加を中心にした金融緩和強化策を当面は継続する方針を打ち出している。欧州中銀(ECB)に対しては、12月に追加緩和するという観測が強まる状況だ。

米連邦準備理事会(FRB)は、すでに公表している連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの見通しによって、2023年までのゼロ金利維持の方向性が示されている。

<コロナが生み出す奇妙な構図>

このようなコロナを起点とした経済の低迷や超緩和維持の長期化が、株高と長期金利の低位安定を両立させ、株高基調の長期化を醸成する構造を生み出した。ダウについては、3万ドルは通過点の見方が市場には多く、日経平均に関しても年内に2万7000円回復しそうだとの声が広がっている。

一部の市場参加者からは「コロナがワクチンで抑え込まれるとの見通しが出るまで、日米の株価は上がり続けるだろ」(国内証券)との見通しが出ている。分かりやすく言えば、コロナ感染の終息が見えるまでは「青天井の株高」というバブルをほうふつとさせる市場心理が出来上がりつつある。

<米長期金利の上昇の意味>

では、この株高はいつまで続くのか。出口のサインは、米国の長期金利だと指摘したい。10年米国債利回りは0.8%台後半で推移している。この前後の水準で推移し続ける間は、米欧日の株式市場にマネーが流入し続け、株高基調が継続するだろう。

一方、欧米でコロナ感染が下火になり、国際的な人の往来が自由化されて経済の回復基調が見え出せば、米長期金利が1%台に乗せ、さらに上がり出す局面が出てくるだろう。その動きが株高局面の出口から差し込む「サイン」になる。

ただ、ワクチンによって形成される抗体の有効期間や副作用などについては、まだ、不透明な点が多々あるようだ。このため、現在の株高サイクルは、年明け後も相当の期間にわたって継続する可能性が出てきたのではないかと予想する。

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編集:青山敦子

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