[ベルリン 4日 ロイター] - ドイツのメルケル首相と16州の首相が、新型コロナウイルス感染拡大抑制のための全土ロックダウン(封鎖)期間を月末まで延長する方針で合意したと、現地紙ビルトが4日報じた。
政府筋はビルトの報道について「2州を除き、全ての州がロックダウンを31日まで延長することを支持した。最終決定は5日の会合で行われる」と述べた。
これまでに決まっているロックダウンの期限は10日となっている。
シュパーン保健相はRTL放送とのインタビューで、「感染者数が依然多すぎるため、規制を延長せざるを得ない」と語っていた。
同相は、感染者数が持続的な減少を示す必要があるとし、「時期尚早の緩和で新たな難問に直面するよりはましだ」と付け加えた。
ドイツはクリスマス前に規制を強化し、レストランや大半の店舗の閉鎖などを行なった。しかし感染拡大に歯止めがかからず、1日当たりの死者が1000人を超える日も出ている。
7日間の感染者数は10万人当たり140人で、規制緩和基準として政策合意されている50人を大幅に上回っている。
ドイツではコロナワクチンの接種が12月終盤に始まった。しかし接種は緩慢なペースとなっており、関係者の間からは不満の声が高まっている。
ロベルト・コッホ研究所(RKI)によると、国内で4日までに1回目のワクチン接種を受けたのは約26万6000人と、英国の100万人超を大きく下回る。
英国では同日、アストラゼネカとオックスフォード大学が共同開発した新型コロナワクチンの接種も始まった。
ロイターが入手した文書によると、独政府はワクチンの供給不足に対応し、可能な限り多くの人に1回目の接種が行き渡るよう、米ファイザーと独ビオンテック製のワクチンの2回目の接種を遅らせることを検討している。
現在の指針では、2回目のワクチン接種時期は1回目から最長42日以内とされているが、保健省はこの期間を延長できるかどうか、独立ワクチン諮問委員会に精査するよう要請した。
デンマークではこの日、2回目の接種を1回目から最長6週間とする指針を承認した。
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