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中国指標:識者はこうみる

[18日 ロイター] - 中国国家統計局が18日発表した2020年第4・四半期の国内総生産(GDP)は前年同期比6.5%増加し、ロイターがまとめたエコノミスト予想(6.1%増)を上回った。市場関係者のコメントは以下の通り。

中国国家統計局が18日発表した2020年第4・四半期の国内総生産(GDP)は前年同期比6.5%増加し、ロイターがまとめたエコノミスト予想(6.1%増)を上回った。北京で13日撮影(2021年 ロイター/Tingshu Wang)

●生産主導で成長率上振れ、融資伸び鈍化を懸念

<TSロンバードの中国担当首席エコノミスト、BO ZHUANG氏>

予想より強かった。(第4・四半期成長率は)6─6.2%程度と予想していた。輸出が極めて強く推移している。引き続き生産が回復を主導しており、海外での新型コロナウイルス流行と封鎖措置を背景に、大げさに言えば過剰生産、過熱の状況だ。

これまで確認されている中で影響が大きいのは融資総量の伸び鈍化だ。信用拡大から伸び鈍化に転じつつあるのが明らかだ。

●第1四半期も好調維持へ、成長率予想に上振れ圧力

<ユニオン・バンケール・プリヴェ(UBP)のアジア担当シニアエコノミスト、カルロス・カサノバ氏

供給サイドの回復は引き続き極めて力強い。鉱工業生産、外的需要、輸出の好調が、12月の鉱工業生産の回復につながった。加えて需要サイドも好調で、内需は第4・四半期にプラスの寄与となった。この両方の要因が改善をもたらした。

11月と比べると若干下振れはしたが、あまり気にするべきではない。第4・四半期について重要なことは、供給サイドのプラスの寄与が拡大するとともに、(需要サイドも)寄与がプラスだったことだ。

今年第1・四半期も状況が足元で反転するとは思わない。当社は2021年末時点の成長率を8%と予想しているが、上振れ圧力がかかるだろう。当社は予想を8.5%に上方修正しようと考えている。需要は国内へとシフトするだろうが、供給サイド、特に輸出は引き続き景気を支援するだろう。鉱工業生産の伸びは7%前後を維持すると予想する。

●年内の引き締め可能、成長予測を上方修正

<オックスフォード・エコノミクス(香港)のアジア経済部門トップ、ルイ・クイジス氏>

時期尚早な政策引き締めに対する懸念があるため、今年のマクロ経済政策は弾力的に運営されると予想している。

ただ、中央経済工作会議では負債と金融リスクの抑制に取り組む方針を示しており、最近の傾向や世界経済の見通しは堅調という当社の予測を踏まえると、中国当局は年内に政策の引き締めが可能だとみられる。

マクロのスタンスが変化すれば、経済成長の原動力はインフラ・不動産投資から消費・企業投資にシフトするだろう。前期比ベースの成長率は鈍化するとみられる。

ただ、今回の力強い第4・四半期統計を受けて、当社は今年の成長率予測を現在の8.1%から上方修正しなければならない。

国内2省で新型コロナウイルスの感染が拡大する中、2月の春節休暇では心理が悪化し、移動が減る可能性があり、第1・四半期の成長を抑制する要因になりかねない。

しかし、中国は新型コロナの封じ込めで実績があるため、少なくとも当面は、経済に大きな影響が生じるリスクは低い。

●今年上期も成長維持、下期に鈍化へ=キャピタル・エコノミクス

<キャピタル・エコノミクスの中国担当シニアエコノミスト、ジュリアン・エバンス・プリチャード氏>

公式統計によると、昨年第4・四半期の中国の経済成長率は過去2年で最高となった。月間統計では、年末にかけて成長が若干鈍化したものの、依然として力強さを維持していることが明らかになった。

今年上半期もこうした力強さが維持され、下半期に鈍化するとみている。

目先の見通しは引き続き良好だ。小売売上高は伸び悩んだが、消費拡大の余地は大きいとみられる。家計は昨年かなりの貯蓄をしており、貯金を取り崩すだろう。

一方、昨年の刺激策の効果で、工業・建設は当面力強さを維持するはずだ。比較対象となる前年の成長率が低かったこともあり、少なくとも年央までは高成長を維持するだろう。

ただ、その先は経済成長の鈍化が予想される。ワクチン接種により、海外の消費パターンが元に戻り始め、中国製品に対する外需が減少するとみられる。国内の一部の政策支援も年内に解除されるだろう。

●今年は民間消費の回復が鍵

<UOB(シンガポール)のエコノミスト、WOEI CHEN HO氏>

第4・四半期は予想を上回る、力強い成長が示された。だが、小売売上高の回復は予想に届かなかったため、成長率が7%を超えるにはまだ課題があると考える。

民間消費の回復度合いが鍵となり、今年重要になるだろう。中国で12月から新型コロナワクチン接種が始まったことが、国内消費の需要喚起におそらくつながるだろう。

財政措置は今後、解除される見込み。利上げはまだないだろうが、当局は公開市場操作を通じて潤沢な流動性を維持するだろう。それが債券利回りを低下させる一つの道だと考える。

●経済は拡大局面に、政策正常化へ

<ANZ(上海)のエコノミスト、XING ZHAOPENG氏>

一部のセクターは依然として回復局面にあるものの、国内総生産(GDP)が予想を上回ったことは、中国経済が拡大局面に入ったことを示している。

政策の巻き戻しが2021年の成長にカウンターシクリカルな圧力を与えるだろう。今年の地方政府債発行計画が事前に承認されていないことから、実際には財政刺激策の縮小がすでに始まっている。

金融政策は脆弱なセクターへの必要な支援を維持する見通しだが、全体的に流動性供給は正常な水準に戻るだろう。

●回復の動きは一時的、コロナ関連の需要後退へ

<スタンダード・チャータードの中国担当シニアエコノミスト、LI WEI氏>

今回発表された指標では、急速ではあるが、濃淡のある回復が示された。新型コロナウイルス関連の製品(医療機器など)の輸出増と、信用を背景とした自動車や住宅の販売がけん引している。

ただ、ここ数カ月の力強い景気回復は一時的なものかもしれない。コロナ関連の需要や、信用の伸びは、2021年に後退すると見込まれる。さえないや小売売上高や、予想を下回るFAI(固定資産投資)の伸びに反映されているように、食品、衣料品、家具、水道・電気ガスの消費はなお、コロナ禍前の水準にとどまっており、ホスピタリティーや輸送セクターは引き続き、能力や移動上の制限に直面している。

*内容を追加しました。

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