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米FRB、経済活動はなお順調:識者はこうみる

[28日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は27─28日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、新型コロナウイルスの感染者が増加しているにもかかわらず、米経済の回復は引き続き順調との見方を示した。また、引き続き明るい見通しを示すとともに、金融支援策の最終的な撤回に向けた議論を継続する意向を示した。

米連邦準備理事会(FRB)は27─28日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、新型コロナウイルスの感染者が増加しているにもかかわらず、米経済の回復は引き続き順調との見方を示した。写真は23日撮影(2021年 ロイター/Eduardo Munoz)

市場関係者の見方は以下の通り。

<三菱UFJモルガン・スタンレー証券 チーフ為替ストラテジスト 植野大作氏>

今回の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明文発表からパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見までを振り返ると、マーケット参加者の間では様々な解釈が錯綜したようだ。

金融政策の正常化に向けた議論が前進していることは確認できたが、テーパリング(量的緩和の段階的縮小)の具体策についてパウエル議長は言葉を濁した印象。テーパリング議論はまだ煮詰まっていない段階だ、ということが分かった。

その結果、積極的なドル買いは進行しなかったが、金融政策正常化の動きは進展しているのでドル売りが加速するわけでもなく、中途半端な値動きになった。

8月末のジャクソンホール会議まで米国の金融政策関連の材料は乏しくなるため、市場参加者の視点は米経済指標や財政政策に移る。目先としてドル/円は109円台では底堅く、110円台では上値の重い動きとなり、110円を挟んで方向感を探る展開が続くとみている。

<三井住友銀行 チーフストラテジスト 宇野大介氏>

今回の米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明では、最大雇用と物価安定という目標(デュアルマンデート)に向けて、「経済は前進しており、委員会は今後の会合で引き続き進展を評価する」との文言が追加された。

年後半または来年初めにもテーパリング(量的緩和の段階的縮小)が実施される可能性が示唆されたことで、ドルは110.30円付近まで小幅に上昇したが、そこでピークアウトして、110円付近まで押し戻された。

ドルが反落した背景には、パウエル議長が記者会見で、デュアルマンデートについて「顕著な一段の進展には至っていない」、「テーパーの時期に関しては決定していない」などと述べ、テーパーに向けて米連邦準備理事会(FRB)が駒を進めたという声明文の印象が、弱められたことがある。

しかしこの間、ドル/円の値幅は0.3円程度と極めて狭く、声明文も会見もほぼ「無風通過」したと言っていいだろう。

こうした市場の反応に加え、インフレ高進が長引き、FRBはバイデン大統領からも対応を求められていることに鑑みて、今後、市場はテーパリングよりも、その先の利上げ開始時期に照準を合わせていくことになるとみている。

<USバンク・ウェルス・マネジメントのエリック・フリードマン最高投資責任者(CIO)>

やや間接的だが、予想されていた以上にテーパリング(量的緩和の段階的縮小)について言及した。

米連邦準備理事会(FRB)は債券買い入れ縮小の検討に値するとみられる状況が整っていると言っているようだ。

また、疾病対策センター(CDC)の最近の指針や、新型コロナウイルスのデルタ型変異株に関するリスクにも細心の注意を払っていると思う。

結論として、このことはFRBにテーパリングに向けた選択の余地を多く与えるものだ。

<F.L.パトナム・インベストメントのポートフォリオマネジャー、エレン・ヘイズン氏>

声明はおおむね予想通りで、ゼロ金利も据え置いたが、テーパリング(量的緩和の段階的縮小)に関しては、今後の会合で引き続き経済情勢の進展を検証すると表明しており、これは新しかった。

しかし、FRBがインフレ率をどのように捉えているかや高インフレが一過性かどうかについて、変化を示す特段の文言は見当たらなかった。テーパリング議論開始時期に関してFRBがこれまで打ち出した目標に向けて進展を図るとの文章が追加されたので、テーパリング議論に近付いたようだ。FRBは忍び足で、テーパリングに近付いている。

<キングスビュー・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ポール・ノルト氏>

大きな見どころはなかったが、声明では米経済が進展していることが示された。FRBがテーパリング(量的緩和の縮小)開始時期を決定するまで1回以上の会合が必要だろう。市場の一部では8月にワイオミング州で開かれる経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)で大きな発表があるとみられているが、見送られるかもしれない。

<グレートヒル・キャピタル(ニューヨーク)のマネジングメンバー、トーマス・ヘイズ氏>

おおむね予想通りだった。利上げも、テーパリング(量的緩和の縮小)についても、何もなかった。

パウエル議長はこれまでも繰り返し、完全雇用が最優先事項と表明してきた。しかし、失業者数は現在も930万人と、新型コロナウイルス感染拡大前の570万人から拡大したままだ。FRBは当面は様子見姿勢を続けるしかないだろう。

このため、テーパリングは2022年、利上げは23年になると予想される。

<キャピタル・エコノミクスのチーフ米国エコノミスト、ポール・アシュワース氏>

FRBは声明の文言を調整し、テーパリング(量的緩和の縮小)に向けた小さな一歩を踏み出した。しかし、当局者がテーパリング開始を急いでいるようには見えず、テーパリングを巡る発表は8月もしくは9月、実際には恐らく2022年初頭まで開始しないと引き続き想定する。

<LPLフィナンシャルのシニア市場ストラテジスト、ライアン・デトリック氏>

米連邦準備理事会(FRB)は経済に対して楽観的な見方をしているが、最近のインフレ率の急上昇についてはまだ過度に心配していない。すなわち過去数カ月の姿勢に変化は見られない。

また、テーパリング(量的緩和の縮小)に関する議論もそれほど進んでいない。FRBは8月下旬にワイオミング州ジャクソンホールで開かれる年次経済シンポジウムでテーパリングの開始時期を発表すると予想される。

*コメントを追加しました。

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