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米雇用2月は予想上回る31.1万人増:識者はこうみる

[10日 ロイター] - 米労働省が10日発表した2月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は31万1000人増加し、市場予想を上回る伸びとなった。雇用の堅調さが改めて示され、米連邦準備理事会(FRB)による利上げが長期化する可能性が高まった一方、賃金インフレが落ち着く兆しも示された。

米労働省が10日発表した2月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は31万1000人増加し、市場予想を上回る伸びとなった。1月25日撮影(2023年 ロイター/Brian Snyder/File Photo)

ロイターがまとめた市場予想は20万5000人増加だった。市場予想は7万8000人増から32万5000人増まで幅があった。

市場関係者の見方は以下の通り。

<マニュライフ・インベストメント・マネジメントのチーフエコノミスト兼ストラテジスト、フランシス・ドナルド氏>

今週発表された他の雇用関連指標と合わせると、米国の労働市場は冷え込んでいるが、米連邦準備理事会(FRB)にとってはまだ十分な速さではないということが明らかになりつつある。

われわれの見解では堅調ながらも過熱していない今回の雇用統計は3月連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%ポイント利上げを決定付けるのに十分だが、失業率の上昇と予想を下回る時間当たり平均賃金の伸びは0.50%ポイント利上げの必要性に対する圧力を緩和させるだろう。

市場が現在織り込んでいる利上げ確率は0.25%と0.50%でほぼ五分五分だ。今後どう動くかは来週の消費者物価指数(CPI)次第となる。

<グレートヒル・キャピタルの会長、トーマス・ヘイズ氏>

第一に、失業率が上昇したことは、米連邦準備理事会(FRB)の利上げがいったん停止するという観点からは良いことだ。

第二に、時間当たり平均賃金の伸びが予想を下回ったことも決定的に重要だ。

第三に、労働参加率を見ると、労働力が新たに供給されていることがわかる。パンデミック(世界的な大流行)以降で労働参加率が最高となり、賃金上昇に歯止めがかかる。

<ノバポイント(アトランタ)の最高投資責任者(CIO)、ジョセフ・スロカ氏>

雇用増が予想を上回ったことで、米連邦準備理事会(FRB)の措置が労働市場に何らかの影響を及ぼしているのか、確かに一抹の不安を覚える。ただ、時間当たり賃金の伸びの鈍化は賃金インフレが緩やかになっていることを示しており、これは全体的なインフレに影響を及ぼす。

今回の雇用統計を受け、FRBが今月の会合で決定すると予想される利上げの幅は0.25%ポイントにとどまるとの見方が出てきたが、消費者物価指数(CPI)がまだ発表されていない。FRBが今月の会合でどのような決定を行うか手がかりを得るために、雇用統計と合わせてCPIを見極める必要がある。

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