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NZ経済、22年第4四半期にマイナス成長転落 利上げ鈍化観測強まる

[ウェリントン 16日 ロイター] - ニュージーランド(NZ)統計局が16日発表した2022年第4・四半期の国内総生産(GDP)は季節調整済みで前期比0.6%減と、中央銀行の予測に反してマイナス成長に陥った。市場では、中銀が利上げペースを鈍化させるとの見方が強まった。

市場予想の0.2%減よりも大きな落ち込みとなった。NZ準備銀行(中銀)は0.7%のプラス成長になると予想していた。中銀の積極的な利上げが、設備投資や消費支出を抑制した。第3・四半期の1.7%増(改定値)から悪化した。

前年比の成長率は2.2%に鈍化。1次産業と製造業の低迷を映した。

統計局データによると、大半の分野で景気が低迷しており、製造や小売、貿易、宿泊などでは景気後退(リセッション)のような状況に陥っている。

中銀と財務省は2023年第2・四半期に経済が浅いリセッションに入るとの見通しを示していた。

エコノミストは、1月と2月の悪天候による経済への影響を踏まえると、国内経済は既にリセッション入りした可能性があることをこの日の軟調な経済統計は示していると指摘する。

キャピタル・エコノミクスは「第1・四半期の見通しは依然として暗い」と述べた。

NZ経済は、厳格な新型コロナウイルス規制の影響で2020年に2四半期がリセッションとなったが、それ以前は2010年終盤からマイナス成長を記録したことはない。

NZドルはGDP発表後に下落幅を広げ、0.6%安の1NZドル=0.6145米ドルとなった。市場が織り込む4月の金融政策決定会合での25ベーシスポイント(bp)利上げの確率は50%となり、政策金利の最終到達点は5.11%と見込まれ、中銀の予想である5.5%を下回っている。

中銀は21年10月以降、政策金利を計450bp引き上げて4.75%にしている。オア総裁はインフレを抑制するために浅いリセッション(景気後退)を引き起こす必要性を認めている。

ウエストパックNZのチーフエコノミスト代行、マイケル・ゴードン氏はGDP統計について、NZ経済の需給の逼迫度合いが中銀の想定を大きく下回っていることが示されたと指摘。「インフレを抑制するためにどれだけ景気を減速させる必要があるかという点でこれは重要だ」とした。

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