May 27, 2013 / 6:27 AM / 6 years ago

〔ECBフォーカス〕単一監督メカニズム、備え不十分のまま始動するリスクも

[フランクフルト 26日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)が域内の銀行監督を一元化する2014年半ばまでは時間との戦いで、組織の備えが十分でないままの始動となるリスクがある。

単一監督メカニズム(SSM)は、銀行同盟実現に向けた第一歩。銀行同盟は将来的な破綻行の支援で納税者に負担を迫る状況を回避し、金融危機の繰り返しを避けるために、政府と銀行のつながりを断ち切ることを目的としている。

ECBはまだ、国レベルの監督当局が関連作業を行うよりほかに、どの銀行を直接監督するのかを評価する一連の基準も設定していない。また、この任務をどうこなすかが明確になっていないうえ、スタッフを雇用する必要もある。

ECBのコンスタンシオ副総裁とともにSSMの設立を担当するメルシュ専務理事は、今月に入ってブリュッセルで、通貨同盟のためには9年の準備期間があったが、今回与えられているのは12カ月だと述べ、銀行同盟のようなものを設立するために要するかなりの作業を大幅に過小評価していると指摘した。

SSM設立に実際に着手する前に、ECBは7月に予定される欧州議会での最終的な採決を待たなければならない。これを経て約1年で、スタッフを雇用し、共通のルールや銀行の監督方法を決めることになる。

メルシュ専務理事は、各国の当局との緊密な協力なしには、このような極めて短期間で成し遂げることは不可能との見方を示した。

<新本部はSSMにとって狭すぎる可能性>

2014年半ばまでにできるだけ体制を整えるため、ECBは各国の監督当局の経験や知識を活用している。

まだSSMの責任者の候補は正式に指名されてはいないが、複数の関係者によると、フランスの監督当局のトップであるダニエレ・ノウイ氏の名が幅広く取りざたされる。

 

現在建設中のECBの新たな本部は来年に完成するはずだが、銀行同盟の計画が整うかなり前から設計されているため、SSMのスタッフを常駐させるには狭すぎる可能性があり、最終的には旧来の建物の1つを拠点とすることになるかもしれない。

新たな機関に必要な人員は約800人で、国レベルの監督当局やECBからが大半を占める。外部からスタッフを雇うにはかなり時間がかかる可能性がある。そうした継続性が、安心感につながるという側面もある。

スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)のプライマリー・クレジット・アナリスト、リチャード・バーンズ氏は、実際に業務を遂行するのが同じ人員ということで、ECBがカバーする銀行の情報などの伝達という点で、一定の安心感があると指摘した。

<巨大なプロジェクト>

最終的なSSMの人員は、ECBと国レベルの監督当局が役割をどう分担するのか次第。

協議中ではあるが、国レベルとECBの人員による共同の監督組織を設立するのが1つのオプションだ。

これとは別に、作業部会にとっての差し迫った課題は、どの銀行がシステム上重要で、ECBが直接監督するかを決めることだ。メルシュ専務理事は「ECBが直接監督する銀行の最終的なリストを作成するための一連の基準さえないことが明らかになった」と述べた。   来年にSSMが始動するまでに解決する可能性の低い困難な課題は、将来的に欧州の銀行を管理するための規制の枠組みと、報告のための統一したシステムを構築することだ。

監督当局は、将来的に銀行がどの情報を、どのような方法で、またどの言語で中央に報告するのか、またデータをどう分析するのかを決める必要がある。新たなIT(情報技術)システムも必要となってくる。

ドイツ連銀のザビーネ・ラウテンシュレーガー副総裁は「これは巨大なプロジェクトで、大半が明らかに、来年に導入できるようなものではない」と指摘。ITや国レベルの報告基準がある中で、どのような情報を求めるのかという問題は言うまでもなく、全てが熟考されなければならないとし、「前進はしているが、なお野心的だ」と述べた。

 (Eva Kuehnen記者;翻訳 青山敦子;編集 田中志保)

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