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来週のクレジット市場=CDSはワイド化とタイト化の両にらみ、FOMC見据える
2013年6月14日 / 08:38 / 4年後

来週のクレジット市場=CDSはワイド化とタイト化の両にらみ、FOMC見据える

[東京 14日 ロイター] - 

 <対国債スプレッド>

 政保債(地方公)10年 2.0─3.0bp
 銀行債(みずほ) 5年 9.0─9.5bp
 地方債(都債) 10年 3.0─4.0bp
 電力債(東電)  5年 220─230bp

  来週のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場では、ワイド化とタイト化
の両にらみの展開となる見通し。最大の注目材料は株価に大きなインパクトを与える可能
性が高い米連邦公開市場委員会(FOMC)声明とバーナンキ米連邦準備理事会(FRB
)議長の発言内容。債券買い入れプログラムの縮小の有無について、どういう姿勢を示す
のか、市場の方向性を占うイベントになるという。
    
  指標となるiTraxxJapanシリーズ19 のプレミアムは今週、
大きく揺れ動く株価に振られ、ボラティリティ(変動率)が急速に高まった。週前半こそ
92.5ベーシスポイント(bp)と低位な水準だったものの、日経平均株価 が
800円超も大幅下落した13日には一時112ベーシスポイント(bp)へと上昇。「
株価は昨年末からの短期筋による買いポジションの巻き返しに伴う売りから下げ幅を拡大
させた」(外資系証券)として、株安に連動しやすいシリーズ19のプレミアムを急上昇
させた。

  今週は株価の先行きを左右するFOMCが18─19日に開催される。債券買い入れ
プログラムについて、早期の縮小を示唆するのか、あるいは時期尚早との見方を示すのか
が焦点。5月22日の議会証言で世界のマーケットの動揺を招いたバーナンキFRB議長
の発言が注目される。

  このイベント次第で株価が持ち直すのかどうか、CDSプレミアムにも大きな影響を
与える可能性が高い。緩和縮小観測が広がれば、これまで以上の株安に見舞われかねず、
その一方で、「バーナンキFRB議長が緩和縮小の考えを否定しないまでも、時期尚早と
のニュアンスを示せば、株価を押し上げるきっかけになる」(アナリスト)という。

  三井住友アセットマネジメントのシニアストラテジスト、濱崎優氏は「注目点として
は記者会見でのバーナンキFRB議長の受け答えになろう」と指摘した上で、声明におい
て前回の議会証言で表明した拙速な金融緩和の縮小は弊害が大きいという内容を示すのか
、質疑応答においても早期縮小ととられかねないような言い方を避けるのかが焦点になる
、と述べた。
  早期の緩和縮小は時期尚早と位置づける最大の理由について、濱崎氏は、「FRBが
目指すのは雇用の最大化だけでなく、それ以前に物価の安定もある。物価の安定があって
こそ雇用の最大化が可能になる」と指摘。物価上昇率が低くなって、先行きのインフレ期
待が萎むと、雇用情勢は好転しないという。

  一方で、金融緩和の早期縮小をにおわす発言をする可能性も否定できないようだ。前
回の議会証言では、早期縮小の考えがあるとの発言を引き出された面もあるが、「前回と
同じような発言を行えば、早期縮小に踏み込む可能性が非常に高くなる」(市場筋)とし
て、再び市場を揺るがす恐れがあるとの見方が出ている。もっとも、仮に債券買い入れプ
ログラムを縮小させたとしても、ゼロ金利政策継続の姿勢までは変えるに至らず、前回ほ
どの過剰反応は起きにくいのではないか、との声も聞かれた。

    BNPパリバ証券のチーフクレジットアナリスト、中空麻奈氏は「株価動向に振られ
やすい展開は避けられそうにないが、企業の業績回復というクッションが悪材料を吸収す
るため、プレミアムは一定の範囲内で底堅く推移しよう」と指摘。今後の注意点としては
、7月の参院選、9月のドイツ連邦議会選挙などを控えており、政治動向をチェックしな
ければならないほか、アベノミクスの進捗状況にもよるが、企業業績が本当に順調に推移
するのか、慎重に見極める必要が出てくる、と述べた。
    
  今年に関しては、株高、一定の円安維持とともに、業績への関心が例年以上に集まり
やすくなる、との指摘がある。仮にアベノミクスがほころび始め、企業収益にもマイナス
の影響を及ぼすようなことがあれば、金融市場の大きな動揺がクレジット市場にも及ぶこ
とは避けられないという。

  <社債の需給は良好、政地債は陰り>
 
  一般債の需給は、全体としては底堅さを維持する見通し。とくに、潤沢な運用資金を
抱える投資家からの安定した需要を背景に、社債(SB)の需給はますます引き締まる可
能性があるという。「クレジット物にはまだ運用資金が流入する余地が残っている」(別
の外資系証券)との声も聞かれる。
 
  その一方で、政府保証債・地方債は、「業者の在庫が重くなりはじめ、需給の緩みが
気になり出した」(銀行系証券)という。国債相場の不安定さが直接の要因だが、すでに
タイト化しきったスプレッドに対する魅力が薄れているだけに、国債金利の振れ幅が再び
大きくなれば、投資家への警戒感を一層高めることになり得るという。
  とくに、長期ゾーンは、生保からの需要を喚起する30年債などの超長期ゾーンを除
くと、相対的に弱くなっているという。新発債の需要を大きく目減りさせるほど深刻な状
況には至っていないが、「実際には手数料を吐き出したワイドなスプレッド水準での買い
が需給バランスを何とか保っていられる理由」(市場関係者)のようだ。

  <新発債、サムライ債軸に国内SBなど予定>

  来週の起債市場では、サムライ債(円建て外債)を軸に国内SB、財投機関債、地方
債などの起債も継続する見通し。新発債全体の供給量はすでに大きく減少しており、需給
にマイナスの影響を与える可能性は低いという。
  目下、起債を準備段階に入っているのは、サムライ債でスロバキア、ポヨラ銀行(フ
ィンランド)、フランスの銀行大手クレディ・アグリコル 、香港上海銀行、国
内SBで東燃ゼネラル石油  、相鉄ホールディングス <0#900
3=JFI>など、投資法人債で日本ビルファンド投資法人  、財投機関債
で高速道路機構 、地方債で大阪府 となっている。

 (ロイターニュース クレジットマーケットチーム

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