October 29, 2013 / 7:13 AM / 6 years ago

〔クロスマーケットアイ〕コマツの業績悪化で不安広がる、新興国は来年こそ正念場か

[東京 29日 ロイター] - 新興国経済への不安が再び高まってきている。大手
建機メーカーのコマツ がアジアなどでの販売不調を理由に一転減益予想となった
ためだ。新興国では、中長期的な成長期待が依然として強い一方、インフレや内需過熱で
金融・財政とも引き締め政策を余儀なくされている国も多い。来年、中国が成長率目標を
引き下げれば一段と経済環境が厳しくなる可能性がある、と警戒されている。
    
 <予想以上の業績悪化>
    
    米重機大手キャタピラー が23日に発表した減収減益決算を受けて、市場は
新興国ビジネスを展開する企業の業績悪化をそれなりに織り込んでいた。関連銘柄の株価
下落もあり、市場にはある程度「耐性」ができていたと思われていたが、にもかかわらず
、コマツの決算が大きく嫌気されたのは、内容が予想以上に悪かったためだ。
    
    コマツによると、2014年3月期連結営業利益予想は従来の3050億円から21
00億円と前年比44%増益から一転1%の減益となり、大幅な見通し引き下げとなった
。想定為替レートを1ドル95円から96.5円と円安方向に修正したにもかかわらず、
業績が大幅下方修正されたため、「円安効果で中間決算は好業績という全体シナリオにも
不安が強まった」(楽天経済研究所シニア・マーケットアナリストの土信田雅之氏)とい
う。
    
    コマツの株価は8%下落。同業の日立建機 は、9月中間期の連結営業利益が
前年比19.6%増の250億円と堅調だったものの、コマツの連想から事業環境の悪化
が懸念され、5%超の株価下落となった。29日の東京株式市場では日産自動車 
やファナック など新興国で事業を展開する企業は全般的にさえない動きとなって
おり、株価の上値を押さえる要因になっている。
    
    コマツの業績悪化は、利益率の高い鉱山機械の販売がインドネシア、中南米、オセア
ニアなど一部新興国で落ち込んだことが要因だ。背景には、鉱山投資の一巡に加え、資源
価格の下落や石炭需要の低下がある。新興国の多くは資源産業への依存度が高く、厳しい
経済運営が続く可能性を示唆するとして警戒感が強まっている。
    
  <インフレで引き締め余儀なく> 
    
    年央以降、新興国経済が悪化したのは、5月22日にバーナンキFRB(米連邦準備
理事会)議長が量的緩和第3弾(QE3)の縮小を示唆し、投資家が新興国から資金を巻
き戻したためだ。当初はすぐにも行われるとの憶測が広がったテーパリング(量的緩和縮
小)は現時点では来年以降になると見られている。新興国には過剰流動性が回帰する可能
性もあるが、「ホットマネー」の再流入はインフレという別の問題を悪化させる。
    
  インドネシアは、コマツの建機販売が落ち込んだ国の1つだ。同国は、インフレや内
需の過熱を抑えるために金融や財政で引き締め政策を採っており、それが需要の減退につ
ながっている。インドネシア中銀は今月8日、政策金利を据え置いたが、アナリストから
は来年初頭までに政策金利を再び引き上げるとの予想が多い。ブラジルやインドなどもイ
ンフレで苦しんでおり、景気が減速するなかでも、金融引き締めを余儀なくされている。
    
    一方、中国の成長率減速も、新興国にとっては大きな重しとなる可能性がある。中国
担当エコノミストの間では、今年の成長率目標7.5%は来年に7.0%へ引き下げられ
るとの見方が多い。新政権2年目となり、構造改革に拍車をかけやすくなるためだ。「新
興国は今年、中国経済に振り回されたが、来年の方が引き締め度が強く、警戒が必要だ」
(外資系証券)という。
    
    国際通貨基金(IMF)は今月8日、2013年の世界経済の成長率予想を前回7月
時点の3.1%から、2009年以来の低い伸びとなる2.9%に引き下げた。大半の先
進国で成長の加速が見込まれるものの、新興国における成長鈍化を補うには不十分とし、
2014年についても、前回の3.8%から3.6%に下方修正した。
    IMFは、2014年の新興国・途上国の成長率を5.1%とし、13年の4.5%
から加速すると予想しているが、中国の14年成長率予想を7.3%としており、甘めの
前提となっている。

    新興国の成長期待が消えたわけではないが、短期的な景気減速への警戒は強くなって
いる。BNPパリバ証券・債券調査部EMKストラテジストの前島英彦氏は「インドネシ
アの生産人口は2055年まで拡大する。同国の国債の3割を非居住者が保有しているの
は、同国の成長期待が高いからに他ならない。長期資金は簡単に逃げないだろうが、短期
資金の出入りが激しくなる中で、経済の振幅も大きくなりそうだ」との見方を示している
。
    
 <東京市場 29日>
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   日経平均      国債先物12月限      国債330回債    ドル/円(15:00)
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  14325.98円           144.92円         0.610%        97.53/55円     
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    -70.06円            +0.09円        変わらず        97.66/71円    
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注:日経平均、国債先物、現物の価格は大引けの値。
    下段は前営業日終値比。為替はNY午後5時。

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