[東京 9日 ロイター] - 日銀が9日に発表した11月の貸出・預金動向によると、銀行・信金計の貸出平残は469兆2595億円となり、前年に比べて2.2%増加した。これは2009年6月の2.4%増以来、約4年半ぶりの高水準。不動産投資信託や電力向け、住宅ローンなどが引き続きけん引していることに加え、製造業や小売りなど業種の広がりもみられているという。
銀行・信金計の貸出が前年比で増加するのは25カ月連続。業態別では、都銀が同1.8%増、地銀・第2地銀が3.0%増、信用金庫が同0.6%増とそれぞれ10月よりも伸び率を高めた。このうち地銀と第2地銀の伸び率は09年8月の3.0%増以来の高水準となった。貸し出し全般について日銀では、建設・不動産、医療・福祉向けのほか、自動車関連の製造業や小売り向けが増えているとしており、景気の回復に伴って幅広い業種で資金需要が出てきている可能性がある。
一方、11月の預金は、都銀と地銀・第2地銀の合計で591兆7332億円(平残)となり、同4.0%増となった。これは今年6月の4.1%増以来の高い伸び。特に地銀・第2地銀が同4.4%増と1991年7月の調査開始以降で最も高い水準となった。企業向け貸し出しの増加や企業業績の改善などを背景に、個人も含めて流動性預金を中心に高めの伸びが続いている。 (伊藤純夫)
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