January 17, 2014 / 12:11 AM / 5 years ago

UPDATE 3-バーナンキ米FRB議長の発言要旨、「リセッション時の金融政策の課題」

(内容を追加しました)

[ワシントン 16日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は16日、米ブルッキングス研究所主催のイベントに出席し、金融危機時の金融政策の課題について講演した。イベントでの発言要旨は以下の通り。

議長は1月末で退任する。

<フォワードガイダンス、債券買い入れ>

われわれは追加刺激を必要としていた。実験的な面もあったが、(フォワードガイダンスと債券買い入れの)2つの方法を用いた。いずれも有益だったと確信している。

<量的緩和(QE)の有効性>

スタッフ分析や多くの論文は、(QEの)有効性に関し意見が異なるものの、その大部分は少なくとも何らかの効果があることを示している。

標準的な金融政策で行えることは限界に来ていたため、われわれは追加措置を取る必要があると判断した。

そしてほとんどの場合、支持されてきた。(FOMCの)大多数が本質的に効果がないと考えているとは思わない。

<金融手段>

金融規制改革法(ドッド=フランク法)の第2章では秩序だった清算権限が定められ、危機時の破綻企業への対応策として従来よりもはるかにはっきりとした柔軟なアプローチが生まれた。そのため、われわれはそうした権限をこれ以上必要としていない。われわれは現在、以前にはなかった手段を持っている。

<FRBの行動に対する政治的逆風>

それほど大きな驚きではなかった。1930年代、われわれは全く同じような反応を体験した。それははるかに激しいものだった。一面では、こうしたポピュリスト型の反応を受けても驚くにあたらない。

FRBは金融パニックに対処するために創設され、その独立性や迅速な行動能力はFRBの主な特徴だ。それを行使せず、金融システムが崩壊し、経済がより深刻な不況に陥っていたならば、ポピュリストの反応も非常に悪かっただろうと思う。

経済が改善し、われわれが自身のストーリーを語り、われわれがなぜそれを実行したのかについて情報が増えるなどすれば、われわれの行動が必要で、幅広い公共の利益にかない、平均的な米国民の支援を目指したメーンストリートの行動だったと人々が評価し、理解するだろうとわれわれは期待している。

<金融危機時には苦悩して眠れなかったのではないか>

もちろん、全くその通り。(しかし)問題に集中して考えるのは私の性質だ。その時は、起こっていたことに心を奪われ、対応策を見出そうとしていたため、苦悩に落ち込んでいる状態ではなかった。例えば自動車事故などに遭ったときは、橋から落ちないようにすることに集中するだろう。そして後から「何てことだったんだ」と言うような、そんな感じだ。

危機の最中は何度か非常に厳しい時期があった。2008年9─10月には、われわれは危機に対応するだけでなく、世界的な危機だったため、世界中の仲間と解決を図ろうとしていた。同時に、われわれは証言を行ったり、何が起きているかを世界に知らせ続けようとしていた。そのため、それは非常に非常に厳しい時期だった。しかし繰り返すが、私は任務に集中していただけだ。

<イノベーション>

(金融危機をめぐる)より長期にわたる影響の別の可能性には生産性の向上が関係している。ここのところ、生産性の向上は非常に緩やかだ。われわれは原因を完全に理解していない。一因は例えば、需要が小さいことかもしれない。

しかし、金融危機がイノベーションのペースを緩め、企業の構造(変化の)ペースを緩め、資本投資を減らした可能性がある。これがイノベーションのペースをさらに緩めた。

<長期失業>

危機が経済の供給サイドに及ぼす影響にはいく通りかあり、これはより長期の影響を及ぼす可能性を意味する。このうちの1つが長期失業による労働力の供給への影響だ。

労働参加率は明らかに低下している。危機発生以前から続いているトレンドが一因だが、リセッション自体の深刻さが要因である可能性もある。

これは今後の労働力の供給に影響を与える可能性があり、失業者やその家族には重大な直接的影響が及ぶ。

<TARP承認に向けた議会への働きかけ>

リーマン・ブラザーズ破綻や株式市場の急落にもかかわらず、下院は2度目の採決でようやく不良資産救済プログラム(TARP)を承認した。

TARPがいかに米経済の安定に必要かを議会に訴えていたとき、ある上院議員が私に、地元の意見は50%が「ノー」、残り50%は「絶対ノー」だと話していたのを覚えている。それほど不人気な政策だった。

バーニー・フランク氏はTARPについて、政府が策定した政策で最も成功したものの1つである一方、最も不人気な政策の1つでもあると評した。

状況がどれほど悪化するのか明確になるまで、TARPのようなプログラムを整備することは不可能だった。

だが9月半ばの時点で、このような企業に対処する枠組みがなかったため頼らざるを得なかった場当たり的な対応が、限界に来ていることも明らかだった。そのため議会を巻き込むしか選択肢がなかった。この点に関して、私はとても明確だった。

<低金利>

(金利は)最終的にはイノベーションに対するリターン、新たな資本に対するリターンに多くを依存するだろう。その質問は依然として非常にオープンだと思うが、かなりの低金利が永久に続く、と結論づける準備は、もちろん私にはまだできていない。

<QEによる金融安定へのリスク>

確かに幾分のリスクが存在する。だが、これらのリスクに直接対応するために金融政策を歪めないようにすることを戦略としてきた。

不十分な金融緩和が経済や信用状況などの悪化を招いたとしても、金融安定へのリスクとなる。

われわれの目標は、金融安定をめぐる懸念に対し、少なくとも最初は監督や規制、その他のマクロ経済的な手段を用いて対応することだ。

正直に言うと、QEに起因するさまざまなコストの中で、個人的に妥当と考えるのはこれだけだ。   

<金融安定をめぐる懸念>

FRB当局者が指摘してきた主なリスクは金融安定化に関するさまざまな側面、金融不安定化の可能性だ。どのような金融緩和策であっても、一定の期間後に利回りを得ようとしたり誤った資産評価をしたりすることへの懸念が常に存在する。5年前に起きたことを踏まえて、われわれは当然こうしたリスクに非常に敏感になっている。

<金融の安定・金融緩和>

市場のバリュエーションはおおむね歴史的な水準の範囲内に収まっているようだ。金融システムは堅固で、主要な金融機関は十分な資本を有している。この問題についてわれわれは非常に注意深く監視しているが、現時点で金融安定をめぐる懸念によって金融緩和の必要性が損なわれるべきではないと考えている。

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