[マサトラン(メキシコ) 22日 ロイター] - メキシコ中部シナロア州マサトランで22日、麻薬密輸組織「シナロア・カルテル」の中心人物、ホアキン・グスマン容疑者(56)が逮捕された。同容疑者は2001年に刑務所を脱走し、メキシコで最も重要な指名手配犯とされていた。
グスマン容疑者は、海岸沿いのコンドミニアムに潜伏中に身柄を拘束された。米当局も拘束作戦に関わったという。
通称「エル・チャポ(ちび)」として知られるグスマン容疑者は1980年代に頭角を現した。過去にはフォーブス誌の長者番付にも名を連ねたこともある。
同組織はコカインやマリフアナなどを米国に密輸し、メキシコ国内の他の麻薬組織と激しい抗争を続けていた。米国では同容疑者に500万ドルの懸賞金がかけられ、シカゴ市当局は昨年、同容疑者がアル・カポネ以来、最大の社会の敵だとしていた。
メキシコのペニャニエト大統領は2012年末の就任直後、海兵隊にグスマン容疑者の拘束を命じていた。大統領も22日にツイッターで容疑者の拘束を伝え、治安当局を称えた。
ホルダー米司法長官も声明を発表し、同容疑者の逮捕は「メキシコと米国の国民にとって重要な成果であり、勝利だ」と述べた。
メキシコでは過去7年の間、麻薬関連の抗争などで8万人近くが死亡している。