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再送--〔金利ウオッチャー〕12年ぶり再上場の超長期国債先物、流動性不安抱え静かな船出
2014年4月7日 / 08:52 / 4年後

再送--〔金利ウオッチャー〕12年ぶり再上場の超長期国債先物、流動性不安抱え静かな船出

(この記事は7日午後5時51分に送信しました)

[東京 7日 ロイター] - 超長期国債先物が12年ぶりに再上場した。初値は理論価格を反映した妥当な水準だったが、日中出来高は100億円余りにとどまり、静かな船出となった。先物取引の開始により、超長期国債の市場拡大が期待されているが、かつて流動性を確保できずに取引休止に追い込まれた苦い経験があるため、現時点で参加者は手探り状態だ。

<上場初日の出来高119億円と低迷>

大阪取引所に7日、上場した超長期国債先物の中心限月6月限。取引開始直後の午前8時45分には198円90銭で2億円の取引が成立した。初値水準は「想定内で妥当な水準」(SMBC日興証券・シニアクオンツアナリストの山田聡氏)との評価が多い。

同先物は利率6%の20年利付国債を標準物として採用されている。決済時の受渡適格銘柄(チーペスト銘柄)になる可能性が高い20年137回債の4日引け値ベースから算出した理論価格は、198円67銭程度。これに7日の寄付段階の長期国債先物の上昇幅(23銭)を加えると、初値と合致する。

ただ、午前の取引で一時199円ちょうどまで買われ場面もあったが、午後にかけては狭い値動きに終始。株安を手掛かりに堅調だった長期国債先物や現物債に比べ、対照的な動きとなった。日中出来高も119億円と長期国債先物(2兆1176億円)のわずか0.56%にとどまった。

ヘッジ(損失回避)目的であれ、トレーディング目的であれ、本格的な取引をするには出来高が少額過ぎる──。

国内証券の債券関係者は、超長期国債先物の取引初日についての感想をこう漏らす。オファー(売り値)、ビッド(買い値)を提示していつでも売買に応じるマーケットメーカーは3社程度(4日現在)とみられ、「自由に売買ができる流動性が確保されないと、自分から積極的に取引に踏み込みにくい」(同関係者)という。

  SMBC日興証券の山田氏は「流動性が低いため、6月11日の取引最終日が近づき、持ち高を次限月に移すロールオーバーがうまくいくのかを確かめるまで、市場参加者の様子見が続くのではないか」と指摘。少なくとも2カ月程度は、市場参加者の様子見姿勢が続くとみている。

<超長期債の発行は増加傾向>

超長期債先物は1988年7月に東京証券取引所に上場されたが、流動性を含めた市場低迷を背景に2002年9月に取引休止となった経緯がある。流動性の低下は、何かショックがあった時に、値動きを荒くしてしまう。

取引再開の議論が活発化したのは、超長期債の発行額が増加し始めた2013年初めごろ。13年度の20年債発行額(市中発行額)は14.4兆円と02年度(4.2兆円)の3倍超に膨らんでいる。また、30年債に加えて、40年債も発行され、超長期国債の商品性が豊富になった。

当時、日銀の「資産買入等基金」を通じた国債買い入れが中期ゾーンに傾斜していたため、10年までのボラティティが徐々に低下。一定のボラティティが残されている超長期ゾーンに市場参加者の物色がシフトする中で、先物取引再開の議論が高まった。

大阪取引所では、超長期国債の発行増を見据えて先物取引に対するニーズが高まるとみて「小さく生んで大きく育てたい」考えだ。

先物取引は国債入札時にヘッジが容易になるほか、債券ポートフォリオの管理がしやすくなる。長期国債先物と絡めて債券先物取引のみで、円金利変動に対する多様な投資戦略を取ることも可能だ。   大証は、先物の取引再開をきっかけに「国債市場全体における市場参加者のすそ野が少しでも広がることを期待したい」(市場企画部課長の恩田雅紀氏)と意気込みを示す。

財務省の2014年度国債発行計画では、30年債などの超長期国債が増発。発行年限の長期化を進めたい財務省の方針を踏まえると「超長期債のマーケットは今後も拡大することが予想される」(国内証券)との見方は多い。先物のニーズも今後、さらに高まることが予想されるため、いかに流動性を増やしていくかが課題になりそうだ。 (星裕康 編集:伊賀大記)

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