[東京 9日 ロイター] - シンガポール政府投資公社(GIC) が、米投資ファンドのローンスター所有のオフィスビル、目黒雅叙園を約1340億円で取得することがわかった。複数の関係者が明らかにした。
最終入札に残ったのは3組。GICは、エートス・キャピタル・リアルエステートLPと中国政府系ファンドの中国投資有限公司(CIC) のコンソーシアムなどを抑えて取得を決めた。シンガポールの広報担当者やローンスターの関係者はコメントを控えている。
当初、相場は約1000億円で推移しており、上場不動産投資信託(J─REIT)や商社などが札を入れていたが、2月末に再度締切を迎えた入札では新たな投資家から1300億円を超える価格が複数提示された。
ローンスターは2011年にも雅叙園の売却を試みたが、当時は買い手がみつからなかった。雅叙園はJRの目黒駅から徒歩数分で、アマゾンジャパンやポルシェジャパン、ウォルト・ディズニー・ジャパンなどをテナントとして持つ。 東京の不動産市場が回復に向かい、1000億円を超える大型取引が出始める中、ローンスターは昨年末に雅叙園の入札を再開した。
GICは今年に入って、アブダビ投資庁(ADIA)の合弁会社や米不動産会社リレーテッド・カンパニーと組んで、米タイム・ワーナー からマンハッタンのオフィススペースを13億ドル相当で取得するなど、積極的に投資を展開している。
藤田淳子 Saheed Azhar 編集:宮崎大
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