Reuters logo
〔焦点〕ブラジルW杯反対デモ、経済と国家イメージに悪影響
2014年5月22日 / 03:37 / 4年前

〔焦点〕ブラジルW杯反対デモ、経済と国家イメージに悪影響

[リオデジャネイロ 21日 ロイター] - サッカーのワールドカップ(W杯)ブラジル大会は同国経済に大きな恩恵をもたらすと期待されていたが、巨費が投じられていることに反対するデモが頻発し、懸念が高まっている。企業の撤退を引き起こし、投資家の間で国のイメージが悪化しかねない情勢だ。

政府は6月12日から1カ月間にわたって開かれるW杯により、今年の経済成長率が0.5%ポイント強押し上げられ、50万人超の雇用が創出されると見込んでいる。

一方、エコノミストらの予想平均はより保守的で、最近のロイター調査によると、押し上げ幅は0.2%ポイント付近とみられている。

今年のブラジルの経済成長率は1.6%にとどまる予想で、10月の選挙で再選を狙うルセフ大統領にとって逆風となりそうだ。

小売り・サービス関連企業を代表する団体、全国商業連合会のエコノミスト、ファビオ・ベンテス氏は「W杯がなければもっと悪かっただろうが、大会が経済を救うことはないだろう」とみている。

どの国よりも多い5回のW杯優勝を誇るブラジルにとって、大会の開催が決定した2007年当時は、今回の大会が経済大国としてのブラジルの登場を世界に示す絶好の機会になるとみられていた。老朽化した空港や高速道路といった交通インフラを整備する口実にもなった。

しかし、国家総監督省によると、W杯向けに計画していた投資額117億ドルのうち、実行されたのは約70億ドルにすぎない。アナリストらは、計画の不備や官僚主義が原因だとしている。

技術者・建築士の業界団体シナエンコによると、全国の主要93プロジェクトのうち、完工したのはわずか36プロジェクトだ。

今回の大会でブラジルチームが6度目の優勝を勝ち取れば、本国開催の大会での初優勝ともなり、国中が盛り上がることは間違いないだろう。しかし、投資もまともに実行せず、プロジェクトを遂行する政治的な意思にも欠け、約束に応えられない国としてのイメージが定着するリスクも抱えている。

<ペレ氏も警告>

大会期間中にブラジルを訪れる外国人観光客数は60万人に達すると見込まれている。主催する国際サッカー連盟(FIFA)は、観戦チケットの需要は過去最高になったと明らかにしている。

一方で、デモ活動は規模が小さくなっているものの、しばしば暴徒化し、店舗に放火したり警察と衝突したりする場面が、テレビを通じて世界中に流されている。

元ブラジル代表で「サッカーの王様」ことペレ氏は19日、外国人観光客の約25%が観戦をキャンセルしたと警告した。

ブラジル南東部の都市ベロオリゾンテで自動車販売会社の幹部を務めるアントニオ・ジョアン・テーシェーラ氏は、自社が昨年のデモ活動で67万8000ドルの被害を受けたと明らかにした。同氏は「当局に治安維持を強化するよう求めている」と説明。「これ(W杯大会)はパーティーになるはずだったのに、厄介な問題となってしまっている」と述べた。

(Alonso Soto 翻訳:川上健一 編集:田中志保)

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」
0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below