* 米英スイス当局、外為指標の不正操作疑惑で世界主要6行に総額43億ドルの罰金を発表
* 英金融行動監視機構、大手5行に総額17億7000万ドルの罰金
* スイス連邦金融市場監督機構、UBSに1億3900万ドルの罰金
* 米国では商品先物取引委員会と通貨監督庁が罰金を発表
[ロンドン/チューリヒ/ニューヨーク 12日 ロイター] - 外国為替相場の指標の不正操作疑惑をめぐり、米英スイスの規制当局は12日、シティグループ とUBS を含む世界主要6行に対し総額43億ドルの罰金を科したと発表した。
罰金が科されたのは他にHSBC 、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS) 、JPモルガン 、バンク・オブ・アメリカ(バンカメ) 。
3カ国の規制当局のうち、英金融行動監視機構(FCA)は、外国為替市場での不正操作問題で、大手5行に対し総額17億7000万ドルの罰金を科した。
罰金額はスイスのUBSが最大で3億7100万ドル、シティグループが3億5800万ドル、JPモルガンが3億5200万ドル、HSBCが3億4300万ドル、RBSが3億4400万ドルとなっている。
バークレイズ は引き続き調査中として、今回は含まれなかった。ドイツ銀行 については、罰金は科さない意向を示した。
スイスの連邦金融市場監督機構(FINMA)は、UBSに対し、1億3400万スイスフラン(1億3900万ドル)の支払いを命じた。またUBSの外国為替部門と貴金属部門の従業員は世界中で、2年間にわたりボーナスが基本給の2倍の水準に制限される。
米国では商品先物取引委員会(CFTC)がシティグループとJPモルガンにそれぞれ3億1000万ドル、RBSとUBSにはそれぞれ2億9000万ドル、HSBCには2億7500万ドルの支払いを命じた。
米国ではこのほか、通貨監督庁(OCC)がバンカメ、JPモルガン、シティグループの3行に対し、総額9億5000万ドルの罰金を科したと発表。内訳は、バンカメが2億5000万ドル、JPモルガンとシティグループがそれぞれ3億5000万ドル。
バンカメに対し罰金を科したのは各国当局のなかでOCCだけだった。
外為市場の1日の取引高は約5兆ドル。不正操作は2008年から2013年10月まで続けられ、各国当局は約1年前に調査に着手していた。
この日に発表された罰金を含むと、外為市場の指標不正操作疑惑をめぐり過去2年間に主要銀行に対し科された罰金の総額は100億ドルを超える。
ただ米国では司法省と連邦準備理事会(FRB)に加え、ニューヨーク州の金融規制当局がなお調査を続けているため、罰金の総額はさらに膨らむ可能性がある。
また、英国の重大不正捜査局(SFO)は同疑惑に関して刑事捜査を進めており、また関与が疑われる銀行に対し顧客から民事訴訟が起こされる可能性もある。
不正操作の調査と同時に、指標をめぐる規制の変更なども進行。15─16日にオーストラリアのブリスベーンで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議では、新たな規制の変更が合意される見通しとなっている。
*世界の外為市場のシェアトップ10行に関するグラフィックは以下をご覧ください。