July 8, 2015 / 7:07 AM / 3 years ago

〔クロスマーケットアイ〕「異常事態」の中国株市場、商品や株式にグローバル投資家の売り

[東京 8日 ロイター] - 中国リスクへの警戒感が市場に広がっている。上場銘
柄の約半数が売買停止となる「異常事態」にグローバル投資家は、株式や商品などのポジ
ションを手仕舞い始めた。実体経済への影響も懸念され、金利は低下、リスクオフの円買
いも出ている。ギリシャの財政問題も混迷を極めており、市場の楽観ムードは大きく後退
している。   
    
  <アジアに広がるリスクオフ>

    約半数の銘柄が売買停止となる異常事態となった。8日の中国株式市場の上海、深セ
ン取引所では約1300社の企業が売買停止。全上場企業2808社のうち約45%が売
買できない状況となっている。
        
    事前には「売ることができなければ、株価が下がることもない」(外資系証券)との
楽観論もあったが、株安は止まらなかった。上海総合指数 と滬深300指数<.CSI
300>はともに一時8%下落。取引可能な株に売りが集中しただけで、抑止効果はほとんど
なかった。
    
    予想に反し中国株が大きく下落して始まると、日本を含むアジアの市場は動揺。日経
平均 は3%を超える下落となり、2万円大台を大きく割り込んだ。香港ハンセン
指数 は6%、台湾加権指数 も3%を超える下落となっている。株式などリ
スク資産のポジションを落とす動きが加速している。
    
    中国株式市場への外国人の直接の投資は制限されており、マネーフローでの連関性が
高いわけではない。しかし、名目GDP(国内総生産)で世界2位(1000兆円超)に
巨大化した経済国における株式市場の「異変」に投資家も警戒感を強めている。
    
    「中国株の下落はリスク量を増大させ、他市場でのグローバル投資家の利益確定売り
につながる。さらに株安が中国の実体経済に影響を与えれば、世界経済もただではすまな
い。影響は限定的と楽観視はできない」と、アムンディ・ジャパン投資情報部長の濱崎優
氏は話す。
    
    <CTAやHFからの売り>
    
    実際、金属など商品市場では中国の景気減速に警戒感が強まり、価格が大きく下落。
汎用性が高い金属で景気や需要に左右されやすい銅 は8日の市場でやや反発した
が、前日に6年ぶり安値を付けた。原油など19商品の先物相場で構成されるトムソン・
ロイター/コアコモディティーCRB指数 は7日の市場で3カ月ぶりの安値に
下落している。
    
   「コモディティ商品の最大の買い手は中国。株安による実体経済への影響が明確に見
えたわけではないが、リスク回避の動きが世界の投資家に広がっている」(ばんせい投信
投資顧問・商品運用部ファンドマネージャーの山岡浩孝氏)という。
    
    前日7日の米ダウ が場中に切り返しプラス圏で引けたことで、安心感が広がり
かけたが、止まらない中国株の下落に投資家心理も消沈したようだ。市場では「株式や商
品にはCTA(商品投資顧問業者)や、マクロ系ヘッジファンドなどからの手仕舞い売り
が目立っているようだ」(大手証券トレーダー)との声が出ていた。
    
    ギリシャ問題の行方も不透明感が一層濃くなっており、マーケットにはリスクオフム
ードも広がってきた。円買いが強まり、ドル/円は一時122円割れ。金利も低下し、日
本の10年債利回りは0.415%と2週間半ぶりの低水準をつけた。

 <矢継ぎ早の対策が「火に油」>

  中国株が下落したこと自体を、市場関係者が驚いているわけではない。上海総合指数
は年初から60%、昨年7月からは2.5倍という急上昇をみせてきた。その間、中国経
済は減速感を強め、今年の成長率目標は7.0%と11年ぶりの低水準。景気に逆行して
株価だけが上昇してきた一種の「バブル」であり、株価下落自体は健全な「調整」ともい
える。

    市場の警戒感を強めているのは、中国政府のあわてぶりだ。学習院大学・経済学部教
授の渡邉真理子氏は「ファンダメンタルズからかい離したような株価の調整はある程度、
想定されていたと思うが、矢継ぎ早に出てきた対策は、場当たり的な対策が中心だった。
その裏には何があるのかと、逆にマーケットの不安をあおっている」と話す。
    
    約半数の銘柄が売買停止となっただけではなく、口座や空売りの監視や、自己勘定で
の株買い支援や投資上限の引き上げなど、株安対策が連日発表されているが、株価は下落
。むしろ油を注いでいるようだ。PER(株価収益率)などバリュエーション面では割高
感も解消されつつあるが、実体経済に株安の影響が出てくれば、水準は切り下がらざるを
得ないだろう。    
    
    日経平均は年初から6月24日の高値まで20%上昇。それまで、ほとんど調整らし
い調整はなく、今回の下落も「絶好の押し目買いのチャンス」(国内証券ストラテジスト
)と強気な声も残っている。だが、日本にとって最大の輸出先であり、インバウンド消費
を支える中国経済だけに、単なる「調整」とはかたづけられない不気味さもある。
    
  (伊賀大記 編集:田巻一彦)
    
 <東京市場 8日>
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   日経平均       国債先物9月限      国債339回債    ドル/円(15:00)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  19737.64円           147.35円         0.415%        121.98/00円     
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
   -638.95円            +0.44円        -0.035%        122.55/57円    
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
注:日経平均、国債先物、現物の価格は大引けの値。
    下段は前営業日終値比。為替はNY午後5時。

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