[9日 ロイター] - 東南アジア株式市場はアジア株全般に足並みをそろえて大半の市場が下落。トランプ米大統領がイラン核合意からの離脱を決めたことを受け、原油相場が3年超ぶり高値に急伸したことが背景。一方でジャカルタ市場は大幅上昇した。
米国が対イラン制裁を再開すればイランと取引のある多くの企業に大きな打撃を与える可能性がある中、MSCIアジア太平洋株指数(日本除く)は下落した。
米国の制裁でイランの原油輸出が抑制される公算が大きい中、原油相場は一時2.8%急伸した。
アジアセック・エクイティーズ(マニラ)のアナリスト、マニー・クルーズ氏は「アジアは石油依存度が高いため、アジア市場は外国からの圧力の影響をかなり受けやすい」と指摘。大半のアジア諸国にとってインフレは懸念要因であり、原油価格がバレル当たり70ドルを上回る水準を維持すれば、短期的には各国の経済成長を損なう可能性もあるとし、「それが引き続き株式に対する市場心理を弱めるだろう」と述べた。
ジャカルタ市場の総合株価指数は2.31%高の5907.938で引けた。1日の上昇率としては1年ぶりの大きさ。ユニリーバ・インドネシアが5.1%急伸したほか、セントラル・アジア銀行 (BCA)は4%高で終了した。
シンガポール市場のストレーツ・タイムズ指数(STI)は0.15%高の3548.54で終了。沖合石油掘削リグ建造も手掛ける政府系複合企業ケッペル・コープは2.6%高。
下落した市場では、マニラ市場の主要株価指数PSEiが0.29%安の7555.27で終了。金融株が下落を主導し、商業銀行のセキュリティー・バンクが4%安。
バンコク市場のSET指数は0.19%安の1756.90と、終値ベースで3週間ぶり安値。エネルギー株が上昇するも、通信株の下落に相殺された。
PTTパブリックが1%超上昇した一方で、携帯電話大手アドバンスト・インフォ・サービス(AIS)は4.4%安。
ホーチミン市場のVN指数は0.33%安の1056.97で引けた。
クアラルンプール市場は総選挙のため休場。 (アジア株式市場サマリー)
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