((この記事は20日午後7時15分に送信しました))
[東京 20日 ロイター] - トヨタ自動車とスズキは20日、トヨタのハイブリッド車(HV)のシステムをスズキへ供給するなど新たな協業について具体的な検討に入ることで合意したと発表した。トヨタの電動化技術、スズキの小型車技術を持ち寄って競争力を向上させる。OEM(相手先ブランドによる生産)供給など開発・生産面での協業も検討する。
スズキ向けHVシステムの供給について、トヨタはインドでHVシステムを生産することを検討しているが、供給開始の時期については両社で協議中。スズキがトヨタ製HVシステムをどの市場向けの車に搭載するかは今後検討していくが、スズキは日本を含めた世界で採用していきたい考え。
インドでは、HVシステムやエンジン、電池を現地で調達できるようにし、両社でHV技術の普及を進める。欧州では2020年後半から、スズキのHVとしてトヨタの「RAV4」と「カローラワゴン」をOEM供給する。
小型車技術については、スズキがインドで展開している小型車の「シアズ」「エルティガ」をトヨタへOEM供給する。欧州では、デンソーとトヨタが支援するスズキの新開発エンジンをトヨタのポーランド工場で生産し、トヨタの小型車に搭載する。
20年末をめどに、スズキがインドで生産している小型車の「バレーノ」「ビターラプレッツア」「シアズ」「エルティガ」を、トヨタのアフリカ市場向けにOEM供給する。
インドにおいては、スズキの同国での車両開発の知見を生かし、トヨタの多目的乗用車(MPV)を共同開発。その開発車を、トヨタが生産して、スズキにOEM供給する。22年からは同国の現地法人トヨタ・キルロスカ自動車で、スズキの「ビターラプレッツア」を生産する。
両社は17年2月の業務提携に向けた覚書締結以降、具体的な提携内容を検討してきた。 (白木真紀 編集:田巻一彦)
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