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物価上昇は「長期戦」、現状の緩和辛抱強く継続=安達日銀審議委員

日銀の安達誠司審議委員は2日、静岡県金融経済懇談会後の記者会見で、日銀が目指している物価の上昇は基本的に「長期戦」であり、現在の金融緩和を辛抱強く続けるしかないと述べた。資料写真、都内で1月撮影(2021年 ロイター/Issei Kato)

[東京 2日 ロイター] - 日銀の安達誠司審議委員は2日、静岡県金融経済懇談会後の記者会見で、日銀が目指している物価の上昇は基本的に「長期戦」であり、現在の金融緩和を辛抱強く続けるしかないと述べた。物価の上昇スピードを加速させるツールについては「個人では思いつかない。あればすでにやっている話だろう」と語った。

日銀が4月に公表した最新の展望リポートでは、2023年度になっても消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)の伸び率が2%に到達しない見通しが示された。安達氏はインフレ率が1%を超える局面になれば上昇が加速するとみているものの、そこからも「戦いは続く」と指摘。アフターコロナの中で正常化に向かう局面では「インフレ率の出発点がどこにあるのかをまず見ないといけない」とも述べた。

安達氏は、コロナが収束し、人々が自由に外出できるようになれば、サービス産業から価格を引き上げる行動が起きる可能性があるとの見方を示した。「昨年支給された給付金がほとんど使われていないという話がある」と語り、コロナ収束後には貯蓄から消費に資金が回る可能性もあるとした。

日銀は5月にETF(上場投資信託)の買い入れを行わず、月間の購入金額は黒田東彦総裁の就任後では初めてゼロとなった。安達氏は、3月の政策点検で行ったETFの買い入れに対する効果のリサーチが「極めて納得できた」と述べた。市場が荒れている時に思い切って購入するのが最も効果的だという結果を踏まえれば「妥当な判断」だと評価した。

米国の景気回復に伴い、市場では、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が量的緩和縮小(テーパリング)の議論開始に言及する時期に関心が集まっている。安達氏は、為替が円高になれば日銀として何らかの対処が必要となるかもしれないとする一方、「この段階で何か事前に考えることができない。状況を注視しつつ、そのとき適切な政策を見つけるということだ」と述べた。

午前中に行った懇談会のあいさつでは、「ワクチン接種による感染者数の減少が抑制されてきた需要を解き放つことになるのか注目される」と指摘。過去のデフレ局面で内需のサービス業の価格がほとんど上昇しなかったことを踏まえると、ポストコロナは2%の物価安定目標を実現する大きなチャンスになるかもしれない、などと述べていた。

(木原麗花、杉山健太郎)

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