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新たな産業政策、大規模財政支出の必要性も 半導体など念頭=産構審

経済産業相の諮問機関である産業構造審議会は4日、大規模で計画的な財政出動を伴う産業政策の必要性などを議論する。写真は、会見する梶山経産相。2020年9月16日に撮影。(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 4日 ロイター] - 経済産業相の諮問機関である産業構造審議会は4日、中長期的な産業政策の在り方を議論した。デジタル・グリーン(環境技術)などの成長分野で米国や中国が政府主導の大規模支援策を打ち出しているのを背景に、低金利・低インフレ環境を活用し、大規模で計画的な財政出動を伴う産業政策の必要性などが指摘された。半導体など競争力維持に巨額投資が不可欠なジャンルの支援が念頭にある。

<従来支援は「小規模、単発的」>

産業構造審議会では冒頭、経産省の多田明弘官房長が、米中などが政府の産業支援を拡大する環境では「産業政策もこれまでと異なる新機軸が求められる」と指摘、民間企業が負えないリスクを政府が負う必要性を強調した。

具体的な支援先としては、電池や洋上風力、水素などのエネルギー、半導体・データセンター、ワクチンなどバイオ分野のほか、デジタル・グリーン分野の成長に伴って失われる雇用への対応などが示された。経産省はこれまで日立・NECの半導体合弁エルピーダメモリ設立など、重要産業を側面支援してきた経緯があるが、多田官房長は「財政出動がこれまでともすると小規模・単発的で、効果が中途半端であったのも否定できない」と総括した。

コロナ禍での需要急減は、日本経済の低成長を恒久化しかねないとの懸念から、財政政策で需要不足を解消する重要性も指摘された。多田官房長は、適切な財政出動を通じて緩やかな物価上昇を実現するとの米国の一部経済学者の議論を引用し、「米国よりも低金利の日本でも当てはまる」とした。

<半導体開発推進ファンドに期待>

具体的なテーマは今後詰め、来年度の政府の成長戦略などに反映させたい考え。半導体については安全保障に直轄する技術として死活的に重要で、必要な半導体工場の新設や改修は政府が国家事業として主体的に進める必要性があるとの認識も、政策例の一つとして提示された。

出席した委員からは「日本(の半導体)企業が世界経済のエコシステムに不可欠である体制を固めることが極めて重要」(大野英男・東北大学総長)、「半導体産業強化の必要条件は最先端の研究開発、十分条件は新しい市場の創造と人材育成。幅広い研究開発を推進するファンドの創出をぜひ考えていただきたい」(益一哉・東工大学長)といった期待が示された。

一方、「いわゆる財政支出ありきでなく、必要な支援先を絞る必要がある。呉越同舟的な期待感から全部取り込むとおかしなことになる」(柳川範之・東大教授)との指摘もあった。

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