[シドニー 8日 ロイター] - オセアニア外国為替市場の豪ドルとニュージーランド(NZ)ドルは、レンジ取引。良好な国内指標が発表されたものの、米金融政策を巡る不透明感が再び強まっている。
豪ドルは1豪ドル=0.7742米ドルに小幅下落。前日の海外市場では0.7765米ドルまで上昇した。
先週は、弱気筋が0.7646米ドルに向けた下落を実現できず、お馴染みの0.7675ー0.7813米ドルのレンジ内での取引に戻った。
NZドルは1NZドル=0.7218米ドル。0.7242米ドルで上昇を阻まれた。過去6週間程度、このレンジを突破したことはないが、先週は一時0.7125米ドルまで下落した。
市場は、10日発表の米消費者物価指数(CPI)に注目している。強い内容となれば、米ドルが上昇する公算が大きい。
ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)が8日発表した5月の豪企業景況感指数は、過去最高を更新した。好調な国内指標が相次いでいる。
ロックダウン(都市封鎖)を導入しているビクトリア州でも、州都メルボルンで11日に制限措置が緩和される公算が大きい。
こうしたことを背景に、市場では、豪準備銀行(RBA)が7月の理事会でテーパリングに向けた最初の小さな一歩を踏み出すとの見方が強まっている。
大半のアナリストは、RABが利回り目標の対象を2024年4月償還債から2024年11月償還債にロールオーバーしないと予測。ただ、柔軟な条件で追加の債券買い入れを発表するとの見方が多い。
このため、4月償還債の利回りは依然として目標の0.10%を下回っているが、11月償還債の利回りは0.298%となっている。4年債利回りは0.60%に上昇。4年以内に利上げがあるとの見方を織り込んでいる。
現在の債券買い入れプログラムは1000億豪ドル規模で、9月に終了する。
JPモルガンの金利ストラテジスト、ベン・ジャーマン氏は「われわれは、米連邦準備理事会(FRB)のテーパリングを巡る議論が9月までには、ある程度まで進展しているとみており、妥協策として21年第4・四半期ー22年第1・四半期の買い入れペースを500億ー750億豪ドルにすると予想している」と述べた。
RBAのケント総裁補は9日に、ロウ総裁は17日にそれぞれ講演する。
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