[上海 11日 ロイター] - 上海外国為替市場の人民元相場は小幅高。週間でも小幅に上昇して取引を終える見通し。
米消費者物価指数(CPI)統計を受けて、物価上昇は一時的との見方が広がり、ドルが下落したことが背景。
中国人民銀行(中央銀行)は、この日の基準値(中間値)を1週間ぶりの元高水準となる1ドル=6.3856元に設定。前日基準値(6.3972元)との比較で116ポイント(0.18%)の元高となった。
国内スポット市場の元は1ドル=6.3853元で取引を開始。中盤のレートは6.3868元で、前日終値から60ポイント上昇している。
市場の関心は、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)に移る見通し。政策スタンスに変更があれば、主要通貨のボラティリティーが高まる可能性もある。
ある外資系銀行のトレーダーは「FOMCまでは元もドルもレンジ取引が続く公算が大きい」と指摘。中国当局も、国内の物価上昇に楽観的な見方を示しており、元相場に関する最近のコメントを受けて、市場は当面安定するとの見通しを示した。
人民銀行の易綱総裁は10日、インフレは「基本的に制御」されており、通常の金融政策を堅持すると発言。人民元相場の基本的安定を維持すると述べた。
人民銀行によると、5月末時点の外貨預金は1兆0100億ドルで歴史的高水準となった。中国株式・債券市場への資金流入が背景。
オフショア人民元は1ドル=6.382元。
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