[上海 16日 ロイター] - 上海外国為替市場の人民元相場は薄商いの中、対ドルで小幅に上昇。市場は米連邦準備理事会(FRB)の連邦公開市場委員会(FOMC)結果待ちで、様子見ムードが広がっている。
最近の米インフレ率の上昇を受け、FOMCでは景気刺激策を巡る文言が修正されるのではないかとの見方が出ており、ドル指数は1カ月ぶり高水準付近で推移している。
多くの国の経済は依然として新型コロナウイルス感染拡大による打撃から完全に回復しておらず、FRBが声明のトーンを修正すれば、市場のボラティリティーは拡大する可能性がある。
中国人民銀行(中央銀行)は16日、人民元の対ドル基準値(中間値)を1ドル=6.4078元と3週間ぶりの元安水準に設定した。前日基準値(6.407元)比では8ポイントの元安。
国内スポット市場の人民元は1ドル=6.4040元で始まった後、中盤時点では6.4039元と前日終値比31ポイントの元高。
午前の取引で元の変動幅は30ポイント以下とかなり狭いレンジにとどまり、FOMC結果を控えた警戒感を反映した。
アナリストや市場参加者は、一部の米指標が早期のテーパリング(量的緩和縮小)開始につながるほど強い内容ではないとしても、FRBは米経済の回復軌道を確認する可能性があり、人民元の上昇圧力は緩和するとみている。
MUFG銀行(上海)の金融市場チーフアナリスト、マルコ・サン氏は「米国や欧州の生産が回復すれば、一部の中国製品の需要は減少するだろう。中国の輸出の伸びが鈍化し、貿易収支が縮小すれば、人民元の上昇圧力は幾分弱まる可能性がある」と語った。
オフショア人民元は1ドル=6.4048元。
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