[東京 22日 ロイター] -
<野村証券 ストラテジスト 澤田麻希氏>
今回の株価調整が長引くとは思えない。FRBがタカ派に転じたとは言っても、実際の利上げは2年先であるうえ、テーパリング(量的緩和の縮小)にしても、早める証拠を見いだせない状態だ。インフレについても一時的という見方を変えていない。
過去の経験では、経済が過熱し、インフレ抑制を目的で利上げが実施された場合に株価は下落する。今回は景気が回復から拡大に向かう局面で、金融政策を正常化する目的で実施するものだ。この点から株式が大きく転換する可能性は低いだろう。
きょうの動きについては、パウエルFRB議長の議会証言の内容を見極めたいとのムードが上値を抑える要因になりそうだが、米国株式市場の急反発を受けて日経平均は前日の下げ幅を埋めにかかるのではないか。
投資家の恐怖感を示すVIX(ボラティリティーインデックス)指数が目安となる20ポイントを下回り、17ポイント台まで低下したことで不安心理が解消している。また、前日に日銀が4月21日以来となる701億円のETF購入を行ったことも、市場に一定の安心感を与えた。
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