[30日 ロイター] - オセアニア外国為替市場では、豪ドルとニュージーランド(NZ)ドルが軟調に推移。感染力が強いとされる新型コロナウイルスのデルタ株が広がる中、国内外の景気回復を巡り懸念が浮上している。
豪ドルはオーバーナイトで0.7%下落し、4営業日分の上げ幅を失った。直近では0.7519米ドル。
NZドルも前日に0.7%下落し、一時0.6980米ドルを付けた。直近は0.6995米ドル。
オーストラリアで新型コロナ対策のロックダウン(都市封鎖)が拡大し、景気の急回復が脅かされる中、豪ドルは円やユーロに対しても大きく下げた。
最大都市のシドニーでは7月9日までロックダウンが実施され、豪国民のおよそ半数が自宅待機を命じられている。ニュージーランドは豪州の大半の地域を対象に、隔離措置なしに相互往来を認める「トラベルバブル」を停止している。
CBAの豪エコノミクス責任者、ギャレス・エアード氏は「ロックダウンは即座に支出に非常に大きなマイナス影響を及ぼし、国内総生産(GDP)を減少させる」と指摘。ただ、予定通りに封鎖が解除されればマクロ経済への影響は最小限にとどまり、景気見通しは堅調さを維持すると述べた。
広範囲に及ぶロックダウンが急速に再導入されたことを受け、豪準備銀行(中央銀行)は来週の理事会でより慎重な見通しを示す可能性がある。
市場は2022年終盤か23年初めの利上げを織り込んでいるが、ロックダウンが長期化すれば予想が後ずれする可能性がある。
こうした不透明感を背景に、豪10年債利回りは先週末の1.56%から1.50%に低下。米国債との利回り差は2ベーシスポイント(bp)に縮小した。
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