[北京 1日 ロイター] - 財新/マークイットが1日発表した6月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は51.3と、5月の52.0から低下した。輸出拠点の広東省で新型コロナウイルスの感染が再拡大したほか、サプライチェーン(供給網)の問題が重しとなって生産の伸びが低迷した。
景況改善・悪化の分岐点となる50を14カ月連続で上回ったが、市場予想の51.8は下回った。
中国国家統計局が前日に発表した6月の製造業PMIも5月から小幅に低下し、4カ月ぶりの低水準となっていた。
財新の6月PMIは生産指数が51.0と、昨年3月以来の低水準となった。新規受注指数も3カ月ぶりの低水準だった。
感染力が強い新型コロナのデルタ株が世界各国で広がり、需要に影響が及ぶ中、5月に好調だった新規輸出受注はわずかな伸びにとどまった。
中国国内では、製造業と輸出の中心地である広東省で5月下旬以降に150人以上のコロナ感染が確認され、地元当局の感染抑制策によって港湾の処理能力に影響が出た。
一方、6月のPMIには明るい材料も見られ、雇用は7カ月ぶりの速いペースで増加した。顧客の需要改善を受け、能力拡張に向けた動きが加速した。
物価上昇圧力も若干和らぎ、投入価格は昨年11月以来の小幅な伸びになった。
財新智庫のシニアエコノミスト、王哲氏は「製造業部門は徐々に正常化しつつある」と指摘。その上で「今年下期には前年の低水準との比較によるベース効果が薄れる。物価上昇圧力に加え、景気減速が依然として中国にとって深刻な課題だ」と述べた。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」