[シドニー 2日 ロイター] - オセアニア外国為替市場の豪ドルとニュージーランド(NZ)ドルは、閑散とした取引の中、小幅安。米雇用統計の発表を控えて、引き続き警戒感が強い。
豪ドルは0.02%安の1豪ドル=0.7469米ドル。国内経済指標は良好な内容だったが、新型コロナウイルスの感染拡大でロックダウン(都市封鎖)が再導入されていることが嫌気されている。
NZドルは0.04%高。一時、2週間ぶりの安値となる1NZドル=0.6960米ドルまで下落した。米雇用統計への期待で米ドルが買われている。
6月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数が70万人増、賃金上昇率が0.4%前後と予想されている。
今週の豪ドルとNZドルは軟調に推移しており、依然として200日移動平均線を下回っている。
5月の豪州の投資用住宅物件への銀行融資は13.3%急増。住宅価格は急騰しており、アナリストはマクロプルーデンス政策の強化につながると分析している。
豪州の家計債務は、所得の180%超、国内総生産(GDP)の120%超と、世界でも有数の多さとなっている。
豪中銀は来週、理事会を開催する。アナリストは3年債利回り目標(0.1%)の設定が2024年終盤以降に延長される可能性は低いと予想している。
ただ、国内の一部の地域では、デルタ株の感染拡大で大規模なロックダウンが再導入されており、一部のアナリストは債券買い入れ額の半減が見送られる可能性があると指摘している。
コモンウェルス銀行のアナリストは「豪中銀がハト派寄りのスタンスを維持し、非伝統的な金融政策の終了に向けた措置を講じなければ、豪ドルは6月17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)以降の下落分を取り戻せず、その後数週間は厳しい状況が続く」との見方を示した。
米豪の利回り格差も、豪ドルの圧迫要因。豪10年債利回りは5ベーシスポイント(bp)低下の1.439%。米国債利回りを2bpしか上回っていない。豪ドルが0.8000米ドルまで上昇した2月時点では、利回り格差は一時44bpに達していた。
NZ国債は上昇。長期債利回りは5-7bp低下している。
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