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〔焦点〕来年度国債170兆円後半の勢い 膨らむ概算要求、負の遺産も
2013年9月2日 / 02:07 / 4年前

〔焦点〕来年度国債170兆円後半の勢い 膨らむ概算要求、負の遺産も

[東京 2日 ロイター] - 各省庁が提示した2014年度予算の概算要求は99.2兆円と過去最大に膨らみ、政府の財政再建への姿勢に疑問を抱かせる内容となった。来年度予算の財源になる新規国債に加え、過去の借金のかり換えなどに必要となる国債の総額は、当初予算としては最大の170兆円台後半に膨らむ可能性がある。膨大な国債の借り換えリスクを軽減するのに今後も発行年限の長期化が求められそうだ。

建設国債や赤字国債などの「新規国債」は13年度の42.8兆円を下回りそう。国の一般会計の基礎的財政収支(プライマリーバランス)は14、15年度の各年度で4兆円ずつ減る。元利払いなどに使う国債費は概算で25.2兆円と過去最大の要求があがったが、予算編成で算出金利が2.2%から1.8%に見直されれば、13年度からの増加幅は1兆円程度にとどまる。

年金財源に充てた「年金特例債」は14年度は発行されない。一般会計の公債金(45.4兆円)としては、差し引き2、3兆円減少する計算になる。

もっとも過去に発行した国債の借り換えに必要な「借換債」は、国債残高の膨張とともに増加傾向にある。日本政府の国債残高は700兆円を突破。14年度の概算要求では120兆円と見積もられ、来年度も、負の遺産が発行総額を押し上げる構図に変わりない。

これらに政府系金融機関などに融資するための「財投債」や東日本大震災からの復旧・復興に必要な「復興債」を加えた全体の国債発行額は「170兆円台の半ばから後半と、再び増加に転じそう」(ゴールドマンサックス証券の西川昌宏・金融商品開発部部長)との見方がある。

市中消化はどうか。14年度を見通すうえで日銀が満期償還を迎えた国債をいくら乗り換えるかが重要になる。

今年4月の異次元緩和で日銀の長期国債残高は100兆円を突破、このうち来年度に償還する国債(利付債)は、西川氏の試算では26.5兆円に上る。

市場の一部には「すべてを乗り換えの対象にすれば、市中での国債消化額はむしろ減少する」との指摘もある。

しかし、それではただでさえグレーな財政ファイナンスへの懸念が色濃くなりかねない。日銀乗り換えは前年度並みかそれ以下に抑え、前倒しなどの年度間の入り繰りで調整する方がより現実的とみられている。今のところ市中消化については2、3兆円程度の増額を想定する声が市場では多い。

安倍晋三政権が8月に閣議了解した中期財政計画では、基礎的財政収支を20年度にゼロにする道筋は示せなかった。この低金利でも国債費は歳出の4分の1を占め、国の財政を圧迫しており、財政再建を軌道に乗せなければ国債残高はいっこうに減らない。

将来の国債の借り換えリスクを軽減するうえで、消化年限の長期化が課題になる。増発対象について西川氏は「10年物や30年物が選択肢になる」とみている。 (山口 貴也 編集;田巻 一彦)

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