[パリ 7日 ロイター] - 仏電力大手EDF が仏原子力大手アレバ の原子炉事業の取得に向け進めている交渉について、同事業の価値の評価で意見が一致しておらず、協議が暗礁に乗り上げていることが7日、関係筋の話で明らかになった。
仏政府はEDFの株式85%、アレバの株式87%を保有しているため、同協議に参加。現在3者は、EDFがアレバの原子力エンジニアリング部門のみを取得する案と、同部門を含むアレバの原子炉事業全体を取得する案の2つを検討している。
関係筋によると、アレバは原子力エンジニアリング部門の価値を10億ユーロと見積もっているのに対し、EDFの買収提案額は2億8000万─3億ユーロだった。
また、政府は原子炉事業全体の取得が望ましいとしているものの、同事業全体の評価も20億ユーロから30億ユーロと幅があり、EDFは買収提案価格を提示する用意を進めているものの、アレバが債務や契約状況などの情報を提示していないため、より詳細な査定は難しくなっているとしている。
従業員数は原子力エンジニアリング部門で約1万人、原子炉事業全体で約1万7000人。原子炉事業全体の従業員のうち1万人は国内での雇用となっている。
関係筋は、「非常に迅速な決定が下される可能性もある」としながらも、「アレバは時間を稼ごうとしている」と指摘。アレバとEDFの幹部はオランド大統領やバルス首相とこの問題をめぐり近く会談する予定で、関係筋はこうした会談で政府側はアレバに原子炉事業全体を売却するよう圧力をかけるとの見方を示している。
アレバとEDFはコメントを控えた。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」