[東京 7日 ロイター] - 日本の外務省は7日、中国海警局の船2隻が東シナ海の尖閣諸島(中国名:釣魚島)の日本領海に侵入したため、駐日中国大使に抗議したと発表した。2隻はすでに領海を出たが、正午現在で合計9隻の海警船が尖閣の接続水域にとどまっている。
海上保安庁によると、7日朝に2隻の海警船が接続水域に入域。前日からいた7隻と合わせ、接続水域を航行する船は9隻に増えた。このうち2隻が午前10時ごろ領海へ侵入。1隻は機関砲のようなものを積んでいたという。
海保の巡視船が警告したところ、「中国の管轄海域で定例のパトロールをしている。貴船はわが国の管轄海域に侵入した。わが国の法律を守ってください」と応答があった。
2隻は午前10時40分ごろに領海を出たものの、海保によると、正午時点で9隻が接続水域にとどまったままという。
日本の外務省は午前11時すぎ、杉山晋輔事務次官が程永華駐日大使に対し、「尖閣諸島周辺の領域への侵入はわが国主権の侵害。一連の中国側の行動は、現場の緊張を著しく高める一方的なエスカレーションで受け入れられない」と抗議した。
外務省は、7隻の海警船が接続水域に入った前日から中国側に抗議。7日朝も、金杉憲治アジア太平洋局長が中国大使館の郭燕公使に対し、海警船の退去を求めていた。海保によると、周辺海域を航行する海警船は通常3、4隻だいう。
尖閣諸島をめぐっては、日本側は領土問題は存在しないとの立場を取る一方、中国側は領有権を主張している。 (久保信博※)
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