(内容を加えました)
[東京 10日 ロイター] - 武田薬品工業は10日、2018年3月期(IFRS)の連結営業利益が前年比15.5%増の1800億円になるとの予想を発表した。トムソン・ロイターのスターマイン調査がまとめたアナリスト15人の営業利益予測の平均値は1976億円となっている。潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「エンティビオ」や多発性骨髄腫治療剤「ニンラーロ」などの主力品の販売増が寄与する見通し。
前期に計上した長期収載品事業の移管による利益増がなくなるものの、和光純薬の株式売却益で相殺される。前期の製品・事業売却による今期の減益要因や為替影響を除いた実質的なコアアーニングスは、10%台半ばから後半の成長になると見込んでいる。
連結売上収益は同3.0%減の1兆6800億円の計画。製品や事業の売却により1293億円が減収要因となる。製品、事業の売却と為替影響を除くと、1ケタ台前半の成長になるという。
17年11月には多発性骨髄腫治療剤「ベルケイド」の特許が切れるが、クリストフ・ウェバー社長・CEO(最高経営責任者)は「影響をオフセットして成長できると考えている」と述べた。
前提の為替レートは1ドル110円、1ユーロ120円。研究開発費は3100億円。
17年3月期の連結売上高は前年比4.2%減の1兆7320億円、営業利益は同19.1%増の1558億円となった。営業利益は、会社計画の1350億円を上回った。
事業売却や為替の影響で減収となったが、実質的な売上収益は6.9%増となった。米国が12.8%増、日本は5.0%増など、全ての地域で実質的な売上収益が増収となった。ウェバー社長は「かなり力強い結果になっており、満足している」と述べた。 (清水律子)
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