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再送-為替こうみる:グレートローテーション、過信する株と半信半疑の債券=三井住友銀 宇野氏
2017年9月11日 / 07:16 / 11日前

再送-為替こうみる:グレートローテーション、過信する株と半信半疑の債券=三井住友銀 宇野氏

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[東京 11日 ロイター] - <三井住友銀行 チーフストラテジスト 宇野大介氏>

リーマンショック後の世界経済では、欧米で財政悪化が進み、日本と同じようにデフレが深刻化するとの懸念から、悲観的な「ジャパナイゼーション」がキーワードとして語られる時代があった。

当時は、今と同じように米が債務上限の壁に遭遇し、米国債の格付けが引き下げられている。欧州も国際通貨基金(IMF)から金融支援を受けるなど、2010―12年の欧米ではデフレ懸念が渦巻いていた。

しかしその後、ダウ工業株30種平均は11年10月にボトムを付け、欧州中銀の金融緩和、日本の震災後の財政出動、そしてアベノミクスも一役買い、世界経済は復活後のリスク資産投資を是とする「グレートローテーションの時代」へと移行していった。

日本では、12年12月に発足した第二次安倍政権が始動する前から異次元緩和という言葉が飛び交い、やがて「安倍トレード」として、それまでの円高・株安の切り返しが急激に進行、15年6月に円安・株高のピークを付けた。

米では、15年12月から利上げができるようになり、その先にある景気回復と従来の成長率を謳歌する世界経済の復調という見通しの中で、楽観的な「グレートローテーション」に支援された株高が進んだ。

ただ最近では、株高・債券安の構図は変化を見せ始めている。

日本株は15年半ば以降、1年以上停滞感が漂ったが、実態に乏しく期待先行の「トランプ・ラリー」なるものが造成され、息を吹き返した。しかし、当のトランプ期待が剥げ落ちるなか、日本株は15年の高値更新に失敗し、円金利は再びマイナス圏へと沈んだ。

米では、株高が続く一方で、長期金利が14年年初にピークアウト。利上げ機運が高まり、実際に利上げをしていく過程においても長期金利が低下するという「株高・債券高」という異例の組み合わせが現れた。

米の長期金利は、いったんトランプ政策への期待に傾いたものの、基本的に半信半疑のスタンスは変わらずで、とうとう足元では米大統領選翌日の水準2%近接まで低下した。 米長期金利の低下は、債券市場が、経済や労働市場の構造変化を冷静に受け止めていることが背景だろう。米経済は失業率が低下しても、労働参加率は低下し、賃金が伸び悩むという制約に直面している。

対照的に米株は、期待値は下がったが基本的にトランプを支持し、アメリカ・ファーストという世界観こそが幸福をもたらすとして、グレートローテーションを過信してきた。しかし、足元でその勢いは頭打ちの様相を示している。

今後については「株安・債券高」という常識的な組み合わせに収斂すると見込んでいる。

以上の前提で、来年まで時間軸を延ばして為替ドル/円相場を考えるなら、米大統領選開票当日の水準である105円前後にまずは戻り、次に英国民投票時の100円前後、最終的には「安倍トレード前」に回帰するという道筋が見えてくることになろう。そして、世界経済は再びジャパナイゼーションを危惧することになっていくと予想する。

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