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日銀、金融政策の現状維持を決定 輸出・生産回復で景気判断を前進

 6月17日、日銀は金融政策決定会合で、現行の長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)付き量的・質的金融緩和政策の継続を賛成多数で決定した。日銀本店、5月撮影(2020年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 17日 ロイター] - 日銀は16─17日に開いた金融政策決定会合で、現行の長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)付き量的・質的金融緩和政策の継続を賛成多数で決定した。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて打ち出した政策を継続し、企業などの資金繰り支援と金融市場の安定維持に努めるとした。

輸出・生産の回復を反映し、景気の現状判断を「引き続き厳しい状態にあるが、経済活動が徐々に再開するもとで持ち直しつつある」とし、7月展望リポートでの「内外で新型コロナウイルス感染症の影響が引き続きみられる下で、極めて厳しい状態にある」から前進させた。ただ、先行きの不確実性が大きい状況は変わらず、当面は感染症の影響を注視し、必要であれば躊躇なく追加緩和を打ち出すとした。

政策金利の目標は賛成8、反対1で据え置きが決定。短期金利は、引き続き日銀当座預金のうち政策金利残高にマイナス0.1%の金利を適用する。長期金利は、10年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、上限を設けず必要な金額の長期国債買い入れを行う。片岡剛士委員は長短金利引き下げで緩和を強化することが望ましいとして反対した。

日銀は、全員一致で長期国債以外の資産買い入れ規模を据え置いた。当面、上場株式投資信託(ETF)は年12兆円、不動産投資信託(REIT)は年1800億円の残高増加ペースを上限に積極的に購入する。CP・社債は、21年3月末までの間、それぞれ7.5兆円の残高を上限に追加買い入れを実施する。

<輸出・生産の判断引き上げ>

日銀は声明文で、輸出や鉱工業生産は「持ち直しに転じている」とし、7月時点の「大幅に減少している」から判断を上方修正した。一方、設備投資は7月の「横ばい圏内の動き」から「減少傾向にある」に引き下げた。

先行きの経済については、経済活動が再開していく下で、抑制されていた需要が顕在化することに加え、緩和的な金融環境や政府の経済対策の効果にも支えられて「改善基調をたどる」と指摘。ただ、世界的に新型コロナの影響が残る中で、そのペースは緩やかなものにとどまるとした。

消費者物価(除く生産食品)の前年比は、感染症や原油価格の下落などで当面はマイナスで推移するとみられるものの、経済の改善や原油安の影響はく落によってプラスに転じ、徐々に上昇率を高めていくとの見通しを示した。

日銀は、新型コロナの帰趨(きすう)やコロナの内外経済への影響の大きさについて「極めて不確実性が大きい」と改めて表明。感染症の影響が収束するまでの間、企業や家計の中長期的な成長期待が大きく低下せず、金融システムの安定が維持される下で金融仲介機能が円滑に発揮されるかといった点にも注意が必要だとした。

和田崇彦 編集:田中志保

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