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地域金融強化の新制度は金融政策に影響、日銀には「説明責任」=門間氏

 11月18日 みずほ総合研究所の門間一夫エグゼクティブエコノミスト(元日銀理事)は、日銀が打ち出した地域金融機関を支援する新制度について、日銀の使命と矛盾しないが、現行の金融政策に影響を与える性質のものであり、日銀にはその点について説明責任があると述べた。写真は10月5日、東京で撮影(2020年 時事通信)

[東京 18日 ロイター] - みずほ総合研究所の門間一夫エグゼクティブエコノミスト(元日銀理事)は18日、日銀が打ち出した地域金融機関を支援する新制度について、日銀の使命と矛盾しないが、現行の金融政策に影響を与える性質のものであり、日銀にはその点について説明責任があると述べた。また、来年3月が期限となっている「新型コロナ対応資金繰り支援特別プログラム」は延長するべきで、早ければ12月の決定会合で決めてもよいとの考えを示した。

ロイターとのインタビューで語った。

門間氏は、地域金融機関の経営基盤強化について、本来的には行政権限のある金融庁が誘導していくべきものだが、日銀にも金融システムの安定というマンデートがあり、今回の「地域金融強化のための特別当座預金制度」は「それほど不自然な政策ではない」との見方を示す。

ただ、同制度は現行の金融政策「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の根幹をなす短期金利に付利することになるため、「プルーデンス政策といいながら結果的に金融政策へ影響を与えることになる」と指摘。この点について日銀には「説明責任はある」と述べた。また、すでに短期政策金利の目標であるマイナス0.1%より高めの水準で推移しているコールレートへの影響や、同制度で金利に上昇圧力がかかった際、何らかの政策上の調整が必要になるのか、今後の決定会合で議論されるべきとの見解を示した。

当面の日銀の政策運営については、コロナ対応として実施中の企業の資金繰り支援の継続がもっとも重要だと指摘。来年3月に期限を迎えるコマーシャルペーパー(CP)・社債の買い入れとコロナ対応特別オペは延長が必要で「コロナ第3波も到来しており、早ければ12月に決めてしまってもよい。とりあえず3月で終わらないというメッセージを早く出した方がいい」と語った。延長期間については「来年のどの時点でワクチンが使えるようになるかも分からない。いきなり1年ということではなく、半年ぐらいでいいのではないか」と述べた。

現行の金融政策に関し、一部の政策委員会メンバーからETF(上場投資信託)の買い入れに問題意識が示されたことについては「そろそろ残高を積みあげていくことについて慎重になるべきではないかという議論が出てくるのは当然だ」と述べ、その上で「副作用の有無を検証する以前の問題として本来中銀として極力やるべきことではない。そういう観点からしても早急に見直した方がいい」と語った。

コロナ禍で、金融市場が今年3月のように不安定化する可能性もあるため「ETFを買い入れるというスキームは残しておいて問題ない」としつつも「市場が混乱し、経済に悪影響を及ぼす可能性が懸念される状況でなければ基本は買わないという方針に切り替えた方がよい」との見解を示した。

日銀は10日、経営統合を決定したり、単独でもコスト削減の実績を出した地域金融機関に対し、各行が保有する日銀当座預金に0.1%の追加的な上乗せ金利を支払う制度を導入すると発表した。

木原麗花、杉山健太郎

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