[東京 18日 ロイター] - 政府は18日公表した経済見通しで、2021年度の実質成長率を前年比プラス4.0%と7月時点の同3.4%から上方修正した。8日に発表した総合経済対策の効果を織り込んだためで、比較可能な1995年度以降最大の伸びとなる。3%台の民間エコノミスト予想と比べて高めで、21年度中に新型コロナウイルスの感染拡大前である2019年10―12月期の経済水準を回復する見立てとなっている。
一方、20年度実績見込みは前年比マイナス5.2%と従来の同マイナス4.5%から引き下げた。新型コロナによる内外経済の冷え込みで95年度以来で最大の落ち込みを見込む。
民間エコノミスト予想では20年度の実質成長率はマイナス5%台半ば、21年度は同プラス3%台半ばが主流。政府見通しを担当した内閣府幹部によると、民間エコノミスト予想との違いは、経済対策を織り込んでいるかどうかだという。内閣府では8日政府が打ち出した財政支出40兆円の経済対策の実質GDP押し上げ効果について、20年度に0.5%ポイント、21年度に2.5%ポイントとの試算を公表している。
試算の前提として、日本を除く世界経済の成長率は国際機関などの見通しを基にしている。想定為替レートと原油価格はそれぞれことし11月の平均値のドル円104.4円と1バレル44.3ドルと置いている。
観光需要喚起策GoToトラベルの一時停止など、足元の感染拡大の影響で景気回復ペースが鈍化している点は「織り込んでいる」(内閣府幹部)という。
竹本能文 編集:青山敦子
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