[東京 18日 ロイター] - 政府が21日に閣議決定する2021年度予算のポイントは以下の通り。
3次補正予算と合わせ、
・感染拡大防止に万全を期しつつ、
・中長期的な課題(デジタル社会・グリーン社会、活力ある地方、少子化対策など全世代型社会保障制度等)にも対応する予算。
<感染拡大防止>
・予期せぬ状況の変化に備え、20年度においてコロナ予備費5兆円を確保しているほか、21年度予算においてもコロナ予備費5兆円を措置。
・3次補正予算で病床・宿泊療養施設の確保、新型コロナワクチン接種体制の整備・接種等を措置。
<デジタル社会・グリーン社会の実現>
・21年9月に、強力な総合調整機能を有するデジタル庁を設置。官民の高度専門人材を結集し500人規模の体制。情報システム予算の一括計上を進め3000億円規模の予算を措置し、政府全体の情報システムを一元的に管理。
・グリーン社会の実現に向け成果連動型の低金利融資制度の創設(今後3年間で1兆円の融資規模)やESG投資の呼び込みを支援。
<歳出改革の取組の継続>
・骨太方針で定めた歳出改革の取り組みを継続し、「目安」を達成。社会保障関係費はプラス1500億円程度(医療費動向を踏まえた前年度の土台からの実質的な伸びはプラス3500億円程度)
<社会保障>
・新型コロナウイルス感染症への対応を引き続き推進。介護報酬改定(プラス0.70%・196億円)、障害福祉サービス等報酬改定(プラス0.56%・86億円)の実施に必要な経費を確保しつつ、毎年薬価改定の実現により実勢価格の下落を反映して国民負担を軽減(▲1001億円)し、社会保障関係費の実質的な伸びを高齢化による増加分におさめる方針を達成。
・保育の受け皿整備(602億円)、不育症の検査・がん治療に伴う不妊にかかる支援(23億円)。3次補正予算においても不妊治療費用の助成について大幅に拡充。
<教育・科学技術>
・デジタル教科書の普及(22億円)、オンライン学習システムの全国展開(7億円)等を推進。21年度から5年間で小学校の35人以下学級を実現。
<活力ある地方創り>
・地域活性化の自主的・先導的な取り組みを支援する「地方創生推進交付金(1000億円)における移住支援事業を拡充するとともに、企業・自治体のマッチング支援を行う「地方創生テレワーク推進事業(1.2億円)」等により、地方へ人や仕事の流れを拡大。
・インバウンド消費2030年15兆円目標達成に向け、国際観光旅客税収(300億円)の活用により、自然・文化を生かした高付加価値なコンテンツの創出や、ホテル・旅館のサービス向上を加速。顔認証での決済の活用など「観光DX」やワーケーションを推進。
・地方団体に交付される地方交付税交付金は17.4兆円(プラス0.9兆円)。国・地方ともに税収減が見込まれる中、一般財源総額を適切に確保。
<公共事業>
・公共事業について安定的な確保(6兆700億円程度)。治水対策や新技術を活用した老朽化対策など防災・減災、国土強靭化への重点化を推進。
・国庫債務負担行為(2カ年国債、ゼロ国債)の活用を拡充することにより、公共工事の施工時期をさらに平準化。
<農林水産>
・農林水産物・食品の輸出5兆円目標の実現に向け、輸出重点品目について産地育成、輸出障壁の解消、海外での販路開拓を一体的に推進。
<復興>
・「第2期復興・創生期間」の初年度。地震・津波被災地域において心のケア等の被災者支援。原子力災害被災地域において、中間貯蔵施設の整備等に加え、帰還・移住等の促進などの本格的な復興・再生に向けた取り組みを推進。
<外交・防衛>
・新型コロナ感染症の国際的な収束に向け、保健分野でのODAを拡充。旅券の電子申請に向けたデジタル化推進をはじめ、外交・領事実施体制を強化。
・中期防対象経費について「中期防衛力整備計画」を踏まえプラス1.1%の伸びを確保。宇宙・サイバー・電磁波といった新領域の能力強化など、領域横断作戦を可能とする態勢の構築を推進。
*一部抜粋して構成
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